さばく
友達2人と同じクラスになったものの、15日までは出席番号偶数と奇数に分散しての登校、私は偶数、友達は他クラスの数人も含め全員奇数、といった体たらくであり、私はひとり教室の隅で「ちびまる子ちゃん」を読むより仕方ない。その結果、クラスメイトからますます陰気に見られ、ますます新しい友達ができにくくなってしまったのである。ぼっちウィーク確定、とほほ。(額の辺りにどんよりとした線がさーっと入っている)
心の俳句を噛み殺し、0密の頭脳をフル回転していかに無傷でぼっちウィークを過ごすか思案した。無傷というのは、移動教室を間違えたり忘れ物をしたりしない、ということである。
約2週間、私は狼にならなければならない。我々女子高生というのは、群れをなして、いちいちイージーな事項を確認し合い、互いに安心し合うという作業がないと生存(すなわち単位取得)もままならぬ生き物、つまるところ鰯のようなもんなのである。友達なんか要らんぜよ、と息巻いていたのは共に泳いでいた仲間がいたからであって、いざひとり広大な海に突き放されたら、正直、不安で不安で仕方がない。
「ちびまる子ちゃん」を読む手はいつの間にか止まり、フワフワの毛で覆われ、鋭い爪が生えていた。ガルルと吠えたら、また友達がいなくなった。私は海水に溺れて死んだ。
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