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中華弁当

職場での昼休憩。
お弁当を持っていかない私は、
コンビニのお弁当かカップラーメンか、有名な牛丼のチェーン店か、中華屋さんのお弁当か、それのどれかを大抵食べている。
昼休憩で外で食べることは年に数回あるかないかぐらい。
色んな物の価格が高騰している昨今、中華屋さんのお弁当は、お弁当らしい値段だしなにより作りたてで量が多い。
大と小で選べるのだけれど、小でも量が多い。
コンビニよりも牛丼屋よりも遠い中華屋は、買って戻ってくるだけでも貴重な昼休憩時間をそれなりに消費する。
携帯の充電が思っていたよりも無くなっていた、そんな感覚。
残り時間でお弁当を食べるのだけれど、量が多いから時間がかかる。食べるために充てなければ時間が多くなるから、そこが唯一の悩みとなっている。
私はご飯を食べた後に、ゆっくりとコーヒーを飲みながら本を読みたいからだ。
中華弁当を食べながら本を読むのはなんだか集中出来ないし、早くコーヒーを飲みたいから早く食べたいという気持ちまである。
そして、せっかちな性格上なのか、現代病なのか、食べることだけにじっと集中する、
ということが出来ない。
食べてケータイでSNSを見てまた食べたり、食べながらケータイでSNSを見たりが大半である。

食べられれば何でも良いということではなく、勿論美味しいものが好きなのだけれど、真摯に向き合うことが出来ていない気がする。

今日も私は中華弁当を買いに行った。
いつも対応してくれる女性の店員さんが、
私に向かって私がわかる言葉で、
厨房に向かって私がわからない言葉で、
注文内容を発する。

気のせいかもしれないけれど、
彼女の表情から、私は顔を覚えられている気がする。

ああ、またきたねー
と言わんばかりの表情。

私はこれからも頻繁に、
小なのにお腹がパンパンになる、このご時世にお弁当らしいありがたい値段の出来たてのお弁当を買いに行き、
またきたよーと言わんばかりの表情で、彼女にお弁当を注文するのだろう。

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