【恋の思い出】 ~スターバックスの女神vs僕〜
これは僕の甘酸っぱい一夏の恋の物語。
ぜひ、back numberのアップルパイを聴きながら読んでください。
↑YouTubeに無かったんでオールドファッションのリンク置いときます。(ギリギリセーフ)
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大学四年の夏。
僕は就活を終え、完全に暇になっていた。
どれくらい暇だったかというと毎日昼から上裸でベランダに出て日焼けをしていた。
お陰で人生初の黒くてかっこいい肌を手に入れた。
ほんとにそれくらいしかやることがなかった。
あとはバイトをするだけ。
ある日あまりにも暇すぎてせっかくだし課題をやりに近所のスタバに行くことにした。
当時住んでいた家から徒歩5分くらいの位置にスタバがあった。
僕は就活が始まる前からTOEICの勉強をする為にスタバに死ぬほど通っていた。そのまま就活の準備やらなんやらでスタバに行って作業をするようにしていた。
スタバに行って作業すれば鬼のように集中できる身体にカスタマイズされてたのだ。
通いすぎたこともあり僕も店員さんもお互いを認識していて、時はカップに就活の応援メッセージを書いてくれたりとなんか知らんけどいい関係になってたと思う。
そんなこんなで久々にスタバに行き課題をやり終え
夜8時頃だったと思う。そろそろ帰ろうかと思った時、女神は急に現れた。
「、、、!!??」
見たことない美人がカウンターに入っている。
僕は働いている人の顔は全員知っている自信があった。
限界突破していたころは週6で通っていたレベルなので当然である。
新人かと思ったが女神はキレキレに仕事をこなしていた。
新人ではないということはヘルプなのか?とか考えてた。
今書いてて思うけど客の癖にこんなこと考えてるの我ながらキモ過ぎる。
とりあえず全然腹減ってないのにチョコレートチャンククッキーを買いに行った。
女神は近くで見ても美しく、笑顔が素敵で僕はもう一目惚れしていた。
そこからはもう予定もないのにとりあえず行けるだけスタバに通うようになった。
太客の完成である。
やること無いからずっとパソコンでYouTube流してるだけなので時間が過ぎるのが以上に遅かった。
幸い、以前から通い詰めていた為、変な目で見られることはなかったと思う。
しかし、待っても中々女神は来なかった。
通い始めて5日目、遂にまた女神が現れた。
もうまずは顔覚えてもらわないといけないなと感じた僕はチョコレートチャンククッキーを頼む。
そこから3~4回に1回の確立くらいで女神には会えたがあまりにも効率が悪過ぎた。
でもまぁその間に僕がかさぶたを剥がし出血しているところに女神が絆創膏を持ってきてくれる等少しばかり進展はあった。
完全に惚れてまうやろ〜!案件である。
バイト先の友達に女神の話をしていたところ、転機が訪れた。
その子の友人が僕の通っているスタバで働いていた。
その事は知っていたが主にランチタイムで働いていた為、僕がアホの様に通っていてもバッティングすることが無かったのだ。
女神は偏差値高高大学の2年生で留学に行っており最近戻ってきたとの情報を手に入れた。
色々謎が解けてきたところでさらに強い武器を僕は得ることになる。
その友達がスタバのシフトを送ってくれた。
これ、当時も思ったけどめちゃくちゃグレーな情報を手に入れちゃったと思う。
念のため言っておくけど僕からシフトくださいと言ってないし友達が気をきかせて情報くれた感じだったので許してほしい。
でもやっぱりキモいな。←
最高効率アゲアゲアイテムを手に入れた僕。
そこからはシフトに合わせ女神に会いに向かった。
しかし、決定打は打てていない。
そしてシフトを見ると僕のスケジュールを確認すると全然会うことができず次に会えるのは3週間後とかになっていた。
僕自身も女神に会いに行くだけの理由でスタバに向かっているだけで何か行動しようとは思えていなった。
もーちょっと仲良くなってから行動しようとか逃げの考えをしていたのかなと思う。
僕は覚悟を決めた。
もう充分距離は縮めたはず!!
今日を逃したらもう長いこと会えないし勝負を決めるしかない!
バイトを早上がりしスタバへ向かう。
2時間しか働いてないのにシフト代わってもらったのは言うまでもない。
あの時はまじごめん。あとありがとう。
決戦地、スターバックスに向かう。
時間は午後8時過ぎ。
女神はもうすでに働いていた。
まずは落ち着いてドリンクを頼む。
席に着き作戦の再確認に入る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【超絶☆スマートラブラブ大作戦💓】
①女神が一人でカウンターに入っているいい感じのタイミングを見つける。
②チョコレートチャンククッキーを頼む。
③スマートにラインのIDの書いた紙を渡す。
④二人は幸せになり、世界が平和になる。
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完璧な流れだ。
スーパーイージーである。
しかし当の僕は死ぬほど緊張していた。
告白って死ぬほど緊張するしましてやナンパみたいなことはしたことが無い。
YouTubeとかで良くナンパしてる人の動画とか上がってるけどあいつらどーゆーメンタルしてんだ。
いいタイミングを狙いつつ心を落ち着かせていたらもう時間は11時を回っていた。
どんどん時間は無くなるし、バイト先の友達からはめちゃくちゃ応援メッセージやら冷やかしやら大量に連絡が来ているし、てんやわんやだった。
そんなこんなで遂に勝負の時は訪れる。
ベストタイミングが来た。
来てしまった。
カウンターには女神一人。
近くの席にも人はおらず、ほかの人の見られることもない。
今しか無かった。
あれこれ考えるのやめて動け!!!!
心の中のブルースリーさんに従い、
僕は席を立ち、カウンターへ向かう。
女神は笑顔だった。
『ご注文ですか?』
僕はガッチガチに緊張していた。
「あっ、アッ、、アノ、、」
『、、?』
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、
「、、コレモラッテクレマセンカ!!!!?」
僕はラインIDの書いた紙を渡していた。
もう皆さんはお気づきでしょう。
せっかく考えた作戦がスタートから失敗していることに!!
注文もしていなければ、スマートでもない。
全部アウトだ。
女神はめちゃくちゃ困惑していた。
『、、、あっありがとうございます、、』
「、、アッハイ。」
、、、、
『、、、注文あります?』
「あっ、チョコレートチャンククッキークダサイ。」
僕はチョコレートチャンククッキーを頼み、そっこーで食べてそっこーで出て行った。
女神の顔どころかカウンターすらも見れなかった。
あまりにもダサすぎて自分でも引いた。
友達にすぐラインしたけどめちゃくちゃ笑われた。
パニックになると僕は何にもできなくなる人間の様だ。
面接とかそんな緊張しなかったのになんでこうなっちゃうんだろう。
以上が夏の恋の思い出である。
ナンパに入るか分からんけど多分、人生初のナンパをした話だ。
後日談だが、IDを渡してから二日後にラインが来た。
結局彼氏がいることが判明し、どっちにしろ無理ゲーだった説が浮上。
しかもスタバと掛け持ちでアップルストアでも働いていたらしい。
どんだけ経験値稼いでるんだ。
まだ進化しようとしてる。こんなの最後どうなるんだよ。
もともとそんなやつに見合える男居るんかよ。(居る)
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あれ以来、僕はあのスタバには行っていない。
セルフ出禁を決めてる。
きっと裏で拡散されてたはずだし、
そうじゃなくても恥ずかしくて行けない。
そんなことなんて忘れて、女神は今、バリバリ仕事出来る女になっている事だろう。
僕は心の拠り所を一つ失ったが、強くなれた気がする。
強くなれたってか強がってる。
今度似たような出来事に遭遇しそうになったらもっとやれるはずだから。
まぁ、あれ以来ナンパなんてする勇気も無けりゃ機会も無いんですけどね。
男の子は泣かない。
頑張るゾイ。