夫婦別姓がいいから事実婚にしてるけど、「じゃあ法改正しなくても事実婚でいいじゃん?」は、違う。
前回前々回と、夫婦別姓がよかった(名字を変えたくなかった)ので私たち夫婦が事実婚を選んで、事実婚のままで子どもを持ちました、ということを書きました。
2つめの記事の中で、
結局のところ、この手続きを終えてしまえば、戸籍と名字が違うこと以外、生活するうえで実質的には法律婚の夫婦+子どもの家庭と何も変わりません。
と書いたのですが、そう自分で書いてふと
「実質的に事実婚にしてて特に問題ない(変わりない)なら、選択的夫婦別姓を認める必要ってないんじゃないの?別に事実婚にしといたらいいじゃん?」
という疑問が浮かびました。
そこで今回はそんな疑問をぼんやりとでも抱いた方向けに、
それでも選択的夫婦別姓の制度は必要なんだ !
という話をしたいと思います。
夫婦別姓にしたいなら事実婚でいいじゃん?への反論
実質生活する上で変わらないなら、事実婚でいいんじゃないの?
それか、事実婚や通称使用の権利範囲を拡大すれば?
という選択的夫婦別姓制度への反対意見、あるかと思います。
ぶっちゃけ、前述のように、私だけでいえば生活するなかで事実婚にしててあまり困ってないので、事実婚でいいといえばいいです。
いいんですが、そんな中でもちょっと気になるなぁと思う点をいくつか挙げてみます。
①「配偶者」という記載があるときに迷いがち。
【実際にあった事例】
我が家の家計用の銀行口座は私名義で作っていて、家計用のクレジットカードも私名義。そんな中、夫もそのカードを使いたいということで、家族カードを作ることにしました。
名字が違う事実婚でも家族カードって作れるのかな?と思いつつ(調べたけど特に記載がなかった)、まぁ問題あれば連絡くるだろうと思って、ネットから申し込み。しばらくして、普通に家族カードが届きました。
こんな感じで、クレジットカード会社も、事実婚でも家族カードが作れるようになっているようで、それは助かります。
でも、もし夫婦別姓が認められていたら、こんなことを気にする必要もなくなるんだけどなぁ、と思った出来事でした。
ほか、携帯の家族割とか、保険の配偶者特約とかも、事実婚や同性カップルでもOK、みたいな会社も増えてきているみたいなんですが、いちいちそこを気にしなくちゃいけないっていうのはちょっと困る点ではある。
あとは、会社の年末調整の書類の「配偶者」欄は、「無」を選ぶので、それもちょっと不思議な気分になります。
②配偶者控除は対象外である。
これはよくいわれることですが、事実婚の場合、所得税の「配偶者控除」は対象外です。
配偶者控除の対象となる配偶者とは、民法の規定により効力が生じた婚姻に基づく配偶者をいいます。いわゆる内縁の妻など、事実婚の相手方は、このような民法の規定による配偶者ではありませんから、配偶者控除の対象とはなりません。
※引用元:国税庁ウェブサイト(No.1191 配偶者控除)
なので、今は私も夫も正社員で働いていて配偶者控除は受けていませんが、もし今後、夫婦どっちかの収入が減って、扶養に入って配偶者控除を受けたくても、受けられないという事態になっていしまいます。
あとは相続税の配偶者控除も同じく対象外です。
以上、2つの理由を挙げてみましたが、法律婚で夫婦別姓にすることが選べればこれらの問題は解決します。
また選択的夫婦別姓が認められたら、「別姓の夫婦・家族」という在り方が社会的にもっと認知されて、別姓が選択できやすくなると思います。
そして別姓が選択できやすくなると、「名前(名字)を変えるのなんか嫌だなぁ…」という人や、「銀行口座とか免許とか、名字を変える手続き面倒だなぁ」という人が、結婚したり家庭を持つことへの不要なハードルが下がるはず。
正直、なぜ選択的夫婦別姓が反対されるのかよく分からない
「選択的」なんだから、同じ姓にしたい人は同じ姓にもできるし、別姓にしたい人は別姓にもできるので、反対する理由がよく分からない(反対派が挙げる理由に共感も納得もできない)…というのが正直なところです。
私の場合は生活する上で事実婚でも支障はないとはいえ、今の制度で上記のようにちっちゃいことだけど困っていること、困る可能性があることがある。
選択的夫婦別姓で、なにか困ることありますか???
社会がーとか歴史がーとか、そんなことではなく、自分になにか困ること・不利益があるのでしょうか。
(それに歴史うんぬんいうけどそもそも夫婦同姓の歴史なんて明治時代から数百年なんだから以下略)
「日本の伝統がなくなる!」とか「愛国心が!」とかの理由に比べたら、「私公務員で、制度を変更すると変更する時に手続きが発生して手間でめんどくさいんですよね…」とかの理由のほうがよっぽど納得できます。
なんとなく、そこには深い溝があるような気がする
ただ、私の勝手な印象ですが、今すでにいる賛成派と反対派は、いくら議論しても縮まらない深い溝があるような気がしてます。(=宗教みたいなもので、いくら議論を重ねたところで改宗することは稀、という印象。)
これまで考えたことないですーな無支持派が、議論を聞くことや自分が結婚しようとした時にどっちかになる可能性はありそうだけど。
どっちか選べるって、別にそっちが普通じゃないですか。なんでダメなの?
結婚するときに同姓と別姓が選べるようになったら、何が不利益生じるの?
と思うんですが…
たぶんなんか、そこには深ーい溝があるんだろうなぁ。
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