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【ONE PIECE考察】 シャンクスと「空島」の関係性が明らかになりました

こんにちは、デザイナーのkojirouと申します!

私はONE PIECEを愛読しており、度々過去の描写をふりかえってはその意味について考えを深めていくのが好きです。
最近のワンピースでは、過去に麦わら海賊団が訪れた場所での要素がつながってきている予感を感じます。
今回このnoteでは、昨今不穏な動きを見せるシャンクスには、空島・スカイピアを構成する「シャンドラ」にルーツがある、あるいは重要な繋がりを持っていると想像しており、その根拠について書きたいと思います。




シャンクスの人物像


「シャンクス」といえば、ルフィに麦わら帽子を与え、「海賊」への憧れを抱かせた張本人ですね。
彼のトレードマークといえば、赤髪とともに“左目の傷”が挙げられます。

ただの見た目上の特徴としてだけでなく、彼の"左目"には、要所要所でなにか意味深に、特別な意味を持つような描写がされます。


45巻-434話「白ひげと赤髪」にて

シャンクスが"白ひげ"と対峙し、"黒ひげ"ティーチを追うエースを止めるよう、忠告するシーン。「今 疼くのはこの傷だ」として、左目の傷を指します。
それを海賊団の旗のデザインに取り入れるほど、「ティーチとの因縁」は深いのでしょう。
しかしそれだけではなく、下記の理由で、彼にとって「左目」は一般人のものよりも重要なものだったと考えられます。

ONE PIECE 45巻より


映画版ワンピース「FILM RED」にて

歌姫ウタとシャンクスの関係性が語られた劇場版「FILM RED」のラストシーンにて。宝箱から赤子であった「ウタ」を拾い上げるシャンクスの目には、傷がついていませんでした。しかしながら、その頃すでに海賊旗のデザイン(髑髏に赤い傷、2本のサーベル)が完成していたことが明らかになっています。
これでは「ティーチとの因縁を海賊旗に込めた」という時系列が合わず、矛盾しています。

これをヒントととるか、ただのミスとするかで、大きく展開が変わると思いますが、どうなんでしょうかね。。

もしあれがミスではなく意図していた描写だとすると、

1.何らかの手段で彼が「目に傷を負う」という未来を予見していた
2.彼にとって「ドクロ✖️左目」というのが何らかの重要なモチーフであり、あのマークは「傷を負ったシャンクス自身」を表す物では無かった

というように考えられると思います。

個人的には2であると思っており、その理由は冒頭に記載したように空島の都市「シャンドラ」と繋がると予想できるから(というか、そうであれば面白いな〜と思うから)です。


31巻-290話「シャンドラの灯」にて

空島編、カルガラとノーランドの過去が明かされる章。黄金都市にて、カルガラはノーランドに「シャンドラ」という都市の名前が「ドクロの右目」を意味する言葉だということを語って​います。地図上で島全体をドクロの形に見立て、「右目」の位置にある都市という意味です。

しかし「ドクロ + 目」といえば、赤髪海賊団の海賊旗。
仮に「シャン=ドクロ」「ドラ=右目」というような対訳ができるとすると、
「シャン=ドクロ」「クス=左目」と当てはめられるんかな…などと妄想しています。


メタファーの一致


シャンクスが空島と関わりがありそうだと思うもうひとつの理由は、最近の展開からシャンクスと空島に「聖書の失楽園物語」という共通するメタファーがあることが挙げられます。

空島の過去編にて、シャンドラが「ノックアップストリーム(突き上げる海流)」という名の自然災害(海底爆発)によって、上空10,000mに突き上げられてしまったことが明らかになりました。それは下記のことから、旧約聖書の「失楽園物語」を想起させるものになっています。

原住民であるシャンディアたちから、「カシ神様(=太陽神)」と畏れられていた巨大なヘビ。そのカシ神の孫であるノラは、ノーランドとカルガラが鳴らす「黄金の鐘」の音色が大好きでした。
ノラをふくむシャンドラ原住民にとっては、海にあった島ジャヤそして黄金都市シャンドラこそ楽園であり、そこを突如として襲った自然災害によって「追放」される形で、空島へ来てしまいました。それはいわばだれも悪くない、ただの「事故」です。
旧約聖書の「失楽園物語」にて、イブをそそのかしたのはヘビであり、エデンの園を追放されるのは天界から地上に降りるような描写です。ワンピースの空島編の物語は、この「失楽園」の構図と符合する(鏡のように逆になっている)ものと考えられます。


聖書「失楽園物語」とONE PIECE「空島編」の比較

聖書で、神は「知恵の実」を作りましたが、アダムとイヴに「決して食べてはならない」と忠告します。しかし悪魔である「蛇」によりそそのかされた無垢なイヴは、アダムと共に禁断の果実を食べてしまいます。それに怒った神が2人を楽園「エデンの園」から追放してしまい、以降荒れる大地を彷徨いながら子孫を繁栄させていく、という物語です。


一方、2人をそそのかした「蛇」も同じように罰をうけています。これまで手足を持ち自由に歩き回っていた蛇は、神の捌きによって手足を失い、子孫末代まで、永劫地べたを這い回ることを強いられるようになってしまいました。

ONE PIECEでは、カシ神やノラは「ただの獣」であり、悪魔でもなんでもないただの被害者として描かれています。勝手に神に祭り上げられたり、首を斬られたりと、ただ代々身勝手な人間の行動に翻弄され続けた一族ということで、聖書と鏡のように対比されています。
また聖書では唯一絶対神が神の裁きを与えますが、空島編では神という存在が「カシ神(自然信仰)」→「ガンフォール」「エネル」へと、神が多数存在しています。
また、聖書ではそもそも力を持つ「神の実在」が前提となっている物語が展開されますが、ONE PIECEではジャヤでおきた失楽園の原因が神の力ではなく、「ただの自然災害」ということが強調されている点でも対比関係にあります。

このようにちょうど鏡写しになるように、「失楽園物語」と「空島編」には密接な繋がりがあります。

シャンクスの楽園追放

最近のワンピースでは、シャンクスが天竜人フィガーランド・ガーリング聖の息子である、と思われるような展開になっています。
それが事実であれば、シャンクスはかつての天竜人ドフラミンゴのように、天竜人の地位を捨て後天的に「下々民」になっているということになります。
それは楽園である聖地マリージョアから堕落している形になり、アダムとイブの楽園追放と符合すると言えます。


また、シャンクスの父(仮)であるガーリング聖も参加した、天竜人たちによる「ゴッドバレー事件」。その実態は、世界政府非加盟国への襲撃、非人道的な「先住民族一掃大会」という恐ろしいものでした。
これはジャヤの「先住民」であるシャンディアたちが、スカイピア人によって突如ヴァース(大地)を奪われた400年前の事件と符合します。


それらの符合は、1.聖書 2.空島編 3.シャンクス という3つのモチーフを結びつけるものであり、「ドクロ + 目」という共通のモチーフを持つシャンクスとシャンドラの結びつきをより強固にしていると言えるのではないでしょうか。

何を意味する?今後の予想


これらのつながりは何を意味するのでしょうか。
これは妄想ですが、今後の展開を暗示する物ではないかと思います。

シャンドラは黄金都市であり、それは「ドクロの右目」を表す言葉でした。そこで仮に、「ジャヤ」という島には黄金だけではなく「2つの宝」があったと仮定します。

ジャヤの地図で、「左目」にあたる場所をみると、なにもない「海」です。ただの湾のようですが、島の大きさに対して不自然に大きな「窪み」のようにも見えます。
かつて、ここには黄金都市シャンドラと対をなす「ドクロの左目=シャンクス」という都市があり、なにか「宝物」が存在した。
それは「右目」にあった「富(=黄金)」とは違う価値を持つもの、
たとえば「歴史書」のようなもの
であったのではないでしょうか。

その存在は世界政府にとっては不都合な真実であり、例の兵器(?)によって存在が「地図から消された(文字通り)」のではないでしょうか。

ONE PIECEでは度々「地図」というものが、「真実」の対義語として使われていると思います。
政府のバスター・コールによって、故郷オハラを「消された」ロビン。オハラが政府によって存在を揉み消されたことをスパンダムに笑われたロビンは、「地図の上から人の営み(=真実)は見えない」と激昂し、椅子にふんぞり返っている権力者を揶揄します。

ONE PIECEで特に「地図」というものにフォーカスされたのは、上記の「オハラ」、そしてその存在が400年前の謎をとくきっかけになった「空島編」です。

その二つが「真実」というキーワードで繋がっている中、400年前のカルガラとノーランドの別れよりもさらに昔、「地図から消された」という出来事があっても自然に物語が繋がるのではないかと思います。

(*「じゃあなぜ島すべてを消さなかったのか」は不明。あくまで妄想ということで。。)


「楽園を追われた神の子孫」という共通項があるノラとシャンクス。聖書で「神から手足を奪われたヘビ」も、シャンクスの「左手を失う」ということと類似しています。

これまでシャンクスは「ルフィの命を救う」代償として左手を失っているものとされてきました。
これを、ノラとの対比、すなわち失楽園物語のヘビと対応させてみます。ヘビが手足を奪われるのはイヴをそそのかし、「人類に知恵を与えた罰」という理由があります。
シャンクスがルフィを救うのは「ただのフーシャ村の少年」を救うということにとどまらず、ヘビ=悪魔が「人類に知恵を与える」に匹敵するなにか特別な思いがあったのではと思っております。

シャンクスが救ったルフィが、人類に与える「知恵」というものが何を示すのかも、かつてから考えているものがあります。これは「ひとつなぎの大秘宝=ONE PIECE」の正体がなんなのか、ということにも繋がってくるものでもあります。

こちらについては、後日別のnote記事にて投稿したいと思っております。

以上、このnoteでは、「シャンクス=ドクロの左目」という対応づけが可能になったことで、空島編との対応性、間接的に「シャンクス=失楽園物語」という対応づけも強固になり、色々な連想を行わせていただきました。

みなさまのお考えをコメントでお聞かせいただければと思います!
では失礼いたします。

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