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ただし#2

日々の会社勤めに専念し、とにかく生活の立て直しに力を注ぎました。

そんな日々の中、ただしさんから、お声が掛かりました。
「あれから、いかがですか?ここで、気を緩めてはいけませんよ。ちょっとでも隙があれば、漬け込んできますからね!いいですか!気を強く持ってくださいね!」

ありがとうございます、ただしさん!
本当に頼れるオジ様だ!親戚の叔父さん?それともお爺ちゃん?お爺ちゃんじゃ、少し失礼かな。
でも、私にとって、師匠のような、カウンセラーさんのような、メンターというような心強い存在でした。

「明日、就業後、お時間とれますか?早速、今後の打ち合わせしましょう。」

はい!かしこまりました!お時間頂きありがとうございますm(._.)mなんて有難いのでしょう!

「近くに美味しいお蕎麦屋さんがあるんですよ!そこの親子丼が絶品なんです!ご案内しますね。ちょっと明日は、こちらに任せてもらえますか」

はい、喜んで!よろしくお願いします!
ん?任せてって、、、いつも打ち合わせ場所や、お食事するお店を決めているのは、殆どただしさんだけどな。打ち合わせ場所も、行きつけのゴルフ練習場のロビーとかね!
任せてくれる?ってなんだろう、、、まいっか!

そして打ち合わせ当日。ただしさんオススメのお蕎麦屋さんへ!そこの名物親子丼を注文!
なるほど、ものすごく深い味わい!看板メニューになる理由がよくわかる。美味しい〜!

美味しい親子丼を堪能しながら、今後の対策について打ち合わせする。
打ち合わせは、いつものように、ただしさんから切り出すように「新しい生活はどうですか?仕事にも慣れましたか?」という感じで始まる。

おかげさまで、もう毎日が楽しくて生きてる!っていう実感がほんとうに有難くて!小さな幸せにも感動する毎日です!お仕事も上司に恵まれて、ご親切に良いサポートをしてくださるので助かります!少しずつですが順調に取り組めています。
通勤もようやくリズムがとれてきて、慣れてきました!車通勤なので快適です!

「そうですか!それは良かった!あれから、お父さんは、近寄ってきたり、連絡よこしてきたりしませんか?大丈夫ですか?」

はい、おかげさまで、あれから一切連絡も取ってませんし、今住んでいる家も知られていません。
その分、妹には引き続き、協力してもらってるわけですがね、、、仕方ないですが、父の事はこれまでの分、任せてもバチは当たらないと思いますし!

「シッ!声が大きい!聞こえちゃうじゃないですか、周りに。」
え?は?あ、す、すみません、、、声大きかったですかね?
、、、、、ってか、そこまで聞こえちゃ困る話でもないのでは?、、、、それに、そんなに声、大きかったかなー。、、、、まいっか。

なぜか、今日は周りをキョロキョロと、なんだか落ち着かないご様子の、ただしさん。

「そうでしたか!これから、お父さんがもし何らかの形で弱気に優しく連絡をよこして来たとしても、同情しそうになっても、決して、心が折れてはいけませんよ!気をしっかり持ってくださいね!」

はい!ありがとうございます。

「じゃ、そろそろ出ましょうか。」

な、なんか、いつになく、事務的というか、なんというか、、、まあ、お蕎麦屋さんだからかな?居酒屋さんとは違うから、淡々と食べながら、打ち合わせで、ちょこっと会話して、(^◇^;)あ、でも、その会話も、シッ!と声をひそめてお話した程度で、なんだかいつもと違うなーという違和感。気のせいかな。

そして、「では、乗ってください。」とただしさんのワンボックスカーへ案内されました。
通勤用に使う時もあれば、ご夫婦で遠出されたりする時、キャンピングカーのようにも、使われているそうです。

「今日は、これから行くところ、僕に任せてもらえますか!」

あぁ、何かお考えがあって、どこか馴染みのお店やお知り合いの方を紹介してくださるのかな!
また人脈を広げてくれようとしてるのかもな!
なんて、思って車へ乗り込みました。

しばらく国道を走ると、また運転席から振り向きざまに
「今日は任せてついて来てもらえますか。」
という、ただしさん。

は、はい。

「お父さんとの事を乗り越えて、そして転居して新たな住まい、転職して正社員!ここにくるまで大変でしたよね。よく、ここまで来られましたね!」

あ、はい、それも、ただしさんのお陰です。
って、これを言わせたかったのか?(^◇^;)

しばらく薄暗い県道を走っていくと、
四車線ある広い道路の両サイドには、ファミレスや、居酒屋チェーン店、家系ラーメンが、間隔を空けて、ぽつりぽつりと建ち並ぶ風景がみえてきました。

すると、ワンボックスカーを回転寿司の裏手側の駐車スペースに停めました。
土手沿いの駐車場なのかな。駐車した目の前は緑が生い茂っていて、下は小さな川が流れています。

え?さっき、お蕎麦戴いたのに、今度はお寿司かー!でも寿司は別腹ってか(^.^)嬉しいなぁ!

「ここだと、人通りも少ないし、落ち着きますね。」

あぁ、ここで、川のせせらぎをききながら、打ち合わせの総まとめをするのかしら。
でも、それなら、どこか喫茶店とか、ファーストフードとかでコーヒー飲みながらでも良いだろうになぁ。今日はなんかいつもと違うなぁ。

すると、ただしさんは、
「あそこで打ち合わせしましょうか。」

え?
「あそこです!あのピンクの建物」

ただしさんが運転席から指差した先は、
ラブホ⁉︎⁇((((;゚Д゚)))))))

え?はー?なにいってんだろ、これは、ダジャレか?それとも親父ギャグ?ん?謎解きか?
まさかの大喜利⁉︎ちがうかー!ちがうやろー!

やや混乱する中、シッカリしろ〜自分!と言い聞かせる。

あーっはっはっは(^O^)イヤです、イヤですよー!いやいやいや、ないない!ないですよー!

すると、ただしさんは、繰り返し言います。
「僕はああいいところには一度も行ったことがないからわからないんですが、
あそこの部屋には、テーブルと椅子があるはずだから、打ち合わせできます。」

怖い怖い怖いΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
なにが?テーブルと椅子だと?打ち合わせ?
できるかーーーーーーーΣ੧(❛□❛✿)

いえ、イヤです、イヤです。イヤですんで。
ありえないっすー。

「え?イヤですか?落ち着いて、打ち合わせが出来そうですが。テーブルと椅子もあるし。
ああいうところは一度も行ったことないですがね。(c" ತ,_ತ)」

キモイ、キモイ、キモイ:(;゙゚'ω゚'):

え?ってか、YOUって、おじいさん👴ですよねー?あたまおかしくなったか?

ま、これ以上、ムリに連れていこうとしたなら、完全に犯罪成立だし!

拒否しても、力づくで連れて行くほどアホではないだろうし。
もしもの時は、この助手席のドアから降りて、逃げることも出来る。

追いかけたり阻止するほどの体力も気力もないだろう、このおじいさんには。
そこまで、暴力的に監禁しようとしたり、手を引っ張ったりする事はできないだろう。

それこそ、強姦とか、誘拐とか、拉致監禁とか、犯罪になるから。もう充分、犯罪みたいなもんだけど。

か、帰りましょう!
私の車停めてるところまで、戻ってください。
もう帰ります。

ただしさんは、納得いかない様子ながらも、しぶしぶ、「じゃ、そういうことなら、帰りましょう!」と、引き返した。

本来なら、安全を考えたら、ここで、車を降りるべきだけど、田舎の県道の真ん中で、降りることもないかなーと(←今思うと恐ろしいし呑気な判断だったけど)そのまま、ワンボックスカーに乗ったまま、引き返してもらった。

とにかく、何が、ショックかというと、
一言で表すなら、「侮辱」かな。
そして、それをするに値する対象と、見られていたことへの、自分への情けなさ。

オンナ、子ども、社会的弱者、こういう人たちには、陰では何をしても、【バレやしないだろう】
【バレなきゃいいや】という歪んだ発想。

しかも、このハゲの老人めがっ‼︎だよ。

口説かれたとか、誘われたとか、エッチなこといってからかってきたとかに対して、セクハラとか思うほど、わたしも青くない🤣笑
てか、どってことない。
むしろ、冗談でかえせるほど、こちらも、もういい年齢してます。下ネタ全然OK!楽しめるほどのオバさん、、、あ、いえ、熟女よ!

それに、例えば、ご高齢だとしても、真剣に好意を持ってくださって、告白してきただとか、口説いてきたとかなら、こちらも真剣に受け止めて、そして、ご好意には感謝しながら、丁重にお断りすることでしょう。
そして、その事に憤りやショックを受けることもないだろうし、ましてや、そのお気持ちは大切に受け止めます。もちろんむやみに口外したりもしないでしょう。

今回の、ただしさんの、行動や言動は、ありえない。人として、よくない事であり、醜いと、強く思う。

イメージしやすく喩えるなら、そうですねぇ。
ちょっとドラマ調な喩えになりますが、、、。

例えば、何らかの事情で、住み込みで雇ってもらえた家政婦さんだとか、女中さんがいたとします。
その女中さんの、立場の弱さとか、元々のおとなしい性格だとかに漬け込んで、そこの主人(あるじ)が、お屋敷の中で、暗がりに連れ込んで、女中さんを強姦をする。
家族や外部から出入りする人々、他の従業員たちには、きっとバレないだろう。
こんな事しても、この女は、きっと訴えたりしないだろうし、黙っててくれるだろうから、レイプしてもいいだろう。誰にもバレなければ、いい。
助けてやったんだから、そのくらいいいだろう。
そんな男性像と重なります。

立場をつかって、弱者に淫らな行為をする。
なんとも自己中心的かつ冷酷だ。

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