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力を持つとは

 最近、勤務先が変わったのだが、その過程で感じたモヤモヤを整理しようと思う。

 はじめは、一応不本意な人事(本心では望んでいたかもしれない)にモヤモヤしているのだと思ったが、すぐにそうではないことに気付いていた。それは、自分以外の状況をみても「?」なことが多かったから、自分だけの問題ではないということだった。なぜ、そんなことになるの?ということが多くあった。

 権力というか、人脈というか、パワーを持つものとそうでないものの差がはっきりとあらわれている勢力図みたいなものが、そこここで見られた。そもそも、今自分が所属している世界は人もお金も全く足りない状況なので、あとは、個人個人がもつパワーが人事の結果などにも、わかりやすく影響してしまっているのだった。

 力とは何か、と考えたときに いろいろな要素があると思うが、今回の場合は、「目を光らせることができるか否か」が大切な要素だった。経済力とか人脈とかいろいろ力の要素はあるけど、そのあたりであんまり差がつきにくい場合、あとは「どれだけ自分のいる世界を見ることができるかどうか」だと思うのだった。部下とのコミュニケーション(飲みニケーションとかじゃなくていい)とか、あるいは情報収集とか、そういうことの大切さをわかっていない人は、やはり周囲との差が大きく開いてしまうのだと思う。

 この人なら信頼できる、と思える人は、「きちんと」情報を整理している。知識教養があるとかだけではなく、自分がいる場所で、目の前にいる人の言葉を聞くということをこつこつと地道に繰り返して、どんな状況でも、的外れではない判断を下す準備ができている。

 ここ数か月、いや一年以上かもしれない、決して短くない期間、それが望めないという状況に置かれていたので、仕事がしにくかった。絶対に、どこかで情報が歪んで伝わり、ひどいときには自分が誤解を受けるような状況も幾度かあったように思う。だから、新しい職場で、情報が歪むことなく伝わり、しかるべきタイミングで上司とスムーズなやりとりができたと感じたとき、あるいは、上司がすぐに状況の確認を的確にしようとしているのを見たときに、正直「あの場所から出られてよかったのだろう」と思った。

どんなに能力がある人でも、自らの置かれている状況を把握できていなければ適切な判断はできない。ここで書いていることなんて、わざわざ改めて「すごい発見だろ」なんて勢いで書くことではない、とはじめから思っているけれど。他の人との差をつける人って、結局周りを本当に見ることができている人だとつくづく思う。

 

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