たかが言葉、されど言葉
首相官邸が運用する「X(旧Twitter)」が、石破総理に対して敬語を用いた投稿をしたことが批判を浴び、その後に修正されることとなった。
これは、石破総理が石川県能登地方を視察したことについて「X」の「中の人」が投稿した際に、
「(石破総理は)お一人お一人と話され」
「決意を新たにされました」
と、敬語を用いていたものである。
指摘を受けて、
「お一人お一人と話し」
「決意を新たにしました」
に修正されている。
※首相官邸の「X」には、修正前の投稿も残っている。
「裏金問題」を巡っては、国会議員を「上級国民」として特別扱いするかのような対応が批判を浴びた。
それだけに、総理大臣であるとはいえ、官邸が「身内」の人間に対して敬語を使ったために大衆の神経を逆なでしてしまった。
おそらくは「中の人」も、二度と同じ失敗を繰り返さないようにと、
「決意を新たに」
したことであろう。
「たかが言葉、されど言葉」なのである。
敬語にかぎらず、言葉の使い方の誤りに関しては学校関係者も他人事ではない。
たとえば、学校内では教職員が同僚のことを「〇〇先生」と呼ぶことが一般的だが、厳密に言えばこれも妙な言葉の使い方なのだろう。
・・・秋の運動会シーズンに学校から送られてくる案内状のなかにも、気になる表現が使われていることがある。
冒頭の一文の文末が、
「本校の第〇回秋季大運動会が開催されます。」
と、受動態になっているケースだ。
運動会を実施する主体は学校なのだから、
「開催します。」
とするべきである。
もしも、外科の手術を担当する執刀医が、
「これから手術が開始されます」
という言い方をしたら周囲は不安になることだろう。
また、裁判官の第一声が、
「ただいまより、公判が開廷されます」
であったら、
「アンタ、傍聴人かよ!」
と、ツッコミを入れられるに違いない。
「たかが言葉、されど言葉」なのである。
運動会などの案内状は、前年度のデータに日付や回数などを上書きして作成されることが多い。そのため、毎年同じ文面である可能性が高いのだ。
そうなると、また来年も同じことをnoteに書かれることに、いや、書くことになるのかもしれない。
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