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「おじいちゃんは、どうして?」
今から30年ほど前に、こんな話を聞いたことがある。
おじいちゃんが小学生の孫に、自らの戦争体験について話していた。
空襲のこと、学童疎開のこと、一番上の兄が南方で戦死したこと・・・。
話を聞き終わった孫は、おじいちゃんにこう尋ねた。
「おじいちゃんは、どうして戦争に反対しなかったの?」
(戦時中の日本では、自由にものを言うことができなかったのだ)
だが、おじいちゃんは孫の前でその言葉を呑むしかなかった。
給特法に基づく教職調整額の在り方などについて審議する中教審の特別部会(第12回)が、4月19日に開催された。
その結果、注目の「教員の処遇改善」については、
給特法の教職調整額を「少なくとも10%以上」とする
という方向で決着をすることが確実になった。
しかし、これは「教員の長時間労働の是正」を図るための方策にはなり得ない。むしろ、「定額働かせ放題」と揶揄される働き方を定着させることになってしまうだろう。
・・・将来、私は「孫」から、
「どうして教職調整額の制度に反対しなかったの?」
と訊かれるかもしれない。
そのとき、少なくともそれに反対を続けていたということは「孫」に語れるようでありたいと思う。
私にとっての「孫」とは、教員を目指す若者たちのことである。