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学校現場でテクノロジーが普及するための条件(下)
(前回のつづき)
前回の記事では、テクノロジーが学校現場で普及するための条件について、これまでに浸透している、
・児童生徒用の端末(PCやタブレット)
・デジタル教科書
・実物投影機(書画カメラ)やプロジェクタ
・小学校でのプログラミング教育
を例に考えてみた。
その結果、普及にあたっては少なくとも次のうち1つ(できれば複数)の条件を満たすことが必要なのではないかと思われる。
※順不同
・国としての施策
・国や教育委員会からの補助金(あるいは、無償や安価であること)
・学習指導要領や教科書への位置付け
・教員のニーズの高さ
・操作や管理の簡便性
・支援体制の充実
・コンテンツ等の充実
・活用事例の蓄積
・教員の校務での活用
・企業にとってのビジネスチャンス
・・・生成AI、ドローン、XR(※)、メタバースなど、まだ歴史の浅いテクノロジーが学校現場に普及する可能性について、先ほどの「条件」をもとに考えてみたい。
※XR(クロスリアリティ)は現実世界と仮想世界を組み合わせる技術の総称で、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)が含まれる。
生成AI
・教育界のみならず、社会全体で高いニーズがある。
・「無償」や「簡便性」などの条件を満たしている。
・著作権の侵害、代筆等の不正行為、思考力の低下、過度の依存など、克服すべき課題もある。
・小学生の場合には「年齢制限」の壁がある。
ドローン
・カメラを搭載したドローンについては、体育科や社会科等の学習、学校行事などで一定のニーズがあると思われる。
・利用に当たっては、操作技能の習得、導入や維持管理の費用、法令等の壁がある。
XR
・バーチャルな体験ができることから、英語科、社会科、理科、体育科をはじめ、様々なニーズがあると思われる。
・利用に当たっては「VRゴーグル」が必須になる。仮に1校に40台を導入するとすれば、1台5万円として200万円の費用が必要になる。
メタバース
・2Dのメタバースについては、不登校の児童生徒向けの支援などでニーズがある。
・2Dであれば無償で利用可能なプラットフォームがある。
・3Dの場合には「VRゴーグル」が必要になる(費用については前述したとおり)。
・・・総合的に考えると、「生成AI」については次期学習指導要領にかなり「食い込んでくる」のではないかと予想される。
ドローン、XR、メタバースについては、先進的な自治体などで実践を積み重ねながら「ブレークの時期を待つ」というところだろうか。