「特命」ですが、なにか?
私の現在の役職名は「特命教授」である。
「特命」という言葉の響きから、トム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』のような業務をイメージする方がいるかもしれないが、今のところ命の危険があるような仕事には出会っていない。
・・・常勤の「教授」以外の役職名としては、「特任教授」や「客員教授」のほうが世間には知られているだろう。
そのせいか、
「『特命教授』って、『特任教授』や『客員教授』とどう違うんですか?」
と聞かれることがある。しかし、この説明は難しい。
それぞれの役職には明確な定義があるわけではなく、各大学の規約によって定められているのだが、これがバラバラなのである。
一般的に「特任教授」は、実務家の教員がフルタイムで勤務する場合の役職であることが多いだろう。また、常勤の「教授」が定年退職後も継続して勤務する場合、この職名に切り替わるというケースもある。
「客員教授」になるのも実務家が主で、著名人が任じられることも多い。しかし、大学の授業をフルタイムで受け持つことはなく、どちらかといえば、大学と実務の現場とをつなぐパイプ役として期待されているといえるだろう。
これに対して「特命教授」はというと、大学によって本当に違いが大きいのである。そもそも「特命教授」という役職を置いていない大学も多く、知名度が低い理由の一つになっている。
その職務には、
・授業を担う実務家が就く
・常勤の「教授」が定年退職後に就く
など、「特任教授」に近い場合もあるが、フルタイムの勤務ではないことが多い。
また、期間限定のプロジェクトを遂行するため、その分野の第一人者に白羽の矢が立つケースもあるようだ。これなどは「特命」という言葉がもつイメージどおりの任務だろう。
あまり知名度の高くない「特命教授」だが、このところ、テレビによく登場していることをご存知だろうか。
ある洗剤のCMで、イケメン俳優の横浜流星が「洗濯学」の「特命教授」を演じているのだ。
「洗濯学」という学問領域については初耳だが、この若さで第一人者となっている(らしい)のは流石である。
ついでに言えば、「特命教授」が言うことのほうが「特任教授」や「客員教授」の言葉よりも説得力があるような気がする。
※個人の感想です。
・・・「特命」という言葉で、ドラマ『相棒』の「特命係」のことを思い出す人も多いのではないだろうか。
警視庁の窓際部署である「特命係」。しかし、天才的な頭脳をもつ杉下右京警部とその相棒の大活躍によって、「特命係」は数々の難事件を解決していくのだ。
この「特命係」にあやかって、「窓際」ではなく「大活躍」のほうを目指したいものである。
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