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横浜駅で「ハイビーム」騒動

 今月7日(木)の夜、JR横浜駅のホーム上で「撮り鉄」たちの罵声が飛び交ったという。
※「撮り鉄」とは、鉄道の写真撮影を愛好する人たちのこと。

 この夜、「撮り鉄」たちが待ちかまえていたのは、横須賀線を走る特別な車両だった。この車両は引退が決まっているタイプであることに加え、古いカラーリングを再現したものだったのだ。

 この夜に運行するということも急に決まったらしく、SNSによる情報拡散などによって、「撮り鉄」たちが横浜駅をはじめとする撮影スポットに駆けつけたらしい。

 記事の中で紹介されている話によると、
「電車が来る前までは皆さんは(ルールに)従っていたが、電車が来たらスイッチが入っちゃうのか、罵声が飛び交うような状態になってしまって」
 ということである。

 横浜駅に集まっていたのは約50人の「撮り鉄」たちだ。その一部がホーム上の「黄色い線」を踏み越えて身を乗り出すなどの危険行為や迷惑行為に及び、再三にわたって注意をしても効果がなかったらしい。おそらく、完全にスイッチが入っていたのだろう。

 業を煮やしたJR側は、ついに「ハイビーム」作戦に出た。「ハイビーム」とは電車の前照灯を上向きにすることで、夜間に前方を照らして歩行者などを速く発見したり、踏切にいる車や歩行者に電車の接近を知らせたりする役割がある。

 しかし、この「ハイビーム」は「撮り鉄」たちから忌み嫌われている。なぜなら、強い光によって写真全体が光ってしまい、被写体である電車がうまく撮れなくなるからだ。

 JR側にとっての非常手段がこの「ハイビーム」なのである。一部の「撮り鉄」にスイッチが入っている以上、こちらも「ハイビーム」のスイッチをオンにしたのかもしれない。

 これに怒った一部の「撮り鉄」は、
「バーカ!」
「ボケー!」
「(ビームを)下げてから行けよ、アホンダラ!」
 と、言いたい放題だ。

 しかしJR側も、
「ちゃんとルールを守らないとハイビームのままですよ」
 と譲らなかった。

 JR東日本によると、そもそも通常は「ハイビーム」で走行しているのだが、撮影者に配慮して「ロービーム」にすることもあるそうだ。

 要するに、全員がマナーを守っていれば「ハイビーム」になることもなかったのだろう。割を食ってしまったのは穏健派の「撮り鉄」たちである。


 それにしても、鉄道会社あっての「撮り鉄」なのだから、そこで働く職員へのリスペクトがあって然るべきである。それを「バカ」呼ばわりとは如何なものだろうか。

 ここは、昭和の時代から我が国の子どもたちに伝わってきたこの言葉を送っておきたい。

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