「全体像」と「ゴール」
全国的に教員採用試験の真っ只中である。
今年度は、近年の教員採用試験で倍率が低下していることや教員不足の問題を受けて、試験の方法や内容の見直しをしている自治体が多い。
大学3年生から受験することを可能にしたり、試験内容を減らして受験者の負担軽減を図ったりするなど、どの自治体も人集めに必死である。
来年度からは、公務員試験や民間企業の採用との競合を図るために、教員採用試験の実施を6月からに早めることが決まっている。
だが、素人目に見ても、これらの方策が抜本的な解決につながっているとは思えない。迷走をしていると言っても過言ではないだろう。
マネジメントやリーダーシップに関する研修で、よくこういう話が紹介される。
おそらく、3人目の男の場合には、頭の中に城の完成予想図があるのだろう。
組織として成果を出すためには、その構成メンバー全員でミッションの「全体像」や「ゴール」を共有しておくべきだ、ということを教えてくれる寓話である。
教員採用試験の在り方については試行錯誤が続いているが、その検討に当たって「全体像」や「ゴール」は明確になっているのだろうか。
もしも、「完成予想図」がないままに手が打たれているのだとしたら、迷走はずっと続くことだろう。