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「習うより慣れろ」
先日、ある小学校で行われた「プログラミング教育」の授業を参観した。
1年生の外国語活動では、音楽に合わせてダンスを考える際に「アンプラグド」のプログラミングを行っていた。
「jump」「stop」「walk」「run」「head」「knees」などの動きを表すカードと、「2回くり返す」「3回くり返す」というブロックとを組み合わせ、2人1組になってダンスの順番を考え、実際に踊ってみるという活動だ。
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担任とAETによる息の合った進行もあり、子どもたちは楽しく活動をしながら「外国語活動」と「プログラミング教育」の双方のねらいを達成することができていたと思う。
一方、6年生は算数の「並べ方と組み合わせ方」の学習で、プログラミング用アプリの「プロゼミ」を使ってこんな活動に取り組んでいた。
メダルを続けて10回投げます。
この時、表と裏の出方には、どんな場合がありますか。
プログラムを組んで、考えましょう。
前時までの学習では、樹形図や表を使って答えを求めていた。その発展的な学習として「プロゼミ」を用いるのだ。
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しかし、実際にプログラミングを始めると子どもたちは「苦戦」していた。
コインを投げる回数が2回目、3回目、4回目と増えるにつれて、プログラムはどんどん長くなっていくのだが、子どもたちからは「くり返し」のブロックを使おうという発想が出てこないのだ。
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結局、最後に教師が「くり返し」を使ったプログラムのつくり方を実演して授業は終わった。
・・・1年生の「アンプラグド」ではプログラミングができたのに、なぜ6年生ではできなかったのか。
だが、これに関して6年生の授業者を責めるのは酷というものだろう。なぜなら、「アンプラグド」と「プロゼミ」の間には大きなギャップがあるからだ。
現状だと、小学校における各教科の学習は「プログラミング抜き」でも成立する。あくまでも、プログラミングは「発展的な扱い」「オプション」という位置づけなのだ。
授業者の話だと、子どもたちが「プロゼミ」を使うのは、
「6年生になってからは初めてで、5年生の『正多角形の作図』で使って以来になる」
ということだった。
要するに、まだ「プロゼミ」の操作に慣れていないうえに、どんな機能をもったブロックがあるのかも十分に知らないのである。これでは「アンプラグド」のようには上手くいかない。
・・・おそらく、このクラスの子どもたちのなかには、「フォートナイト」や「マインクラフト」のことだったら何でも知っているという「猛者」もいたに違いないのだが。
やっぱり何事も
「習うより慣れろ」
なのである。
・・・ただし、その先には
「では、慣れるための時間をどう捻出するのか?」
という新たな課題が待ち受けているのだが。