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「紙やすり」だと思え

 今年4月から某市の中学校で教員を務めているAさんは、先日まで保護者対応に苦慮していた。

 もともとは生徒間のトラブルから始まったのだが、加害側の保護者が納得せず、担任であるAさんの対応への批判を繰り返していたらしい。

 しかし、ある先輩からこんな言葉を紹介されて、ずいぶん気が楽になったそうだ。

誰かが君を何度も何度も傷つけてきたら、
相手を紙やすりだと思えばいいのさ。
多少は擦り傷を受けるかもしれないが、
結局、君は磨かれてピカピカになり、
相手は使い物にならなくなるんだ。

クリス・コルファー

 原文は次のとおりである。

 この言葉の主であるクリス・コルファー氏は、1990年生まれの米国の俳優である。テレビドラマ『glee』のメイン・キャストを務めたことで知られているが、俳優以外に歌手、脚本家、作家としてもその才能を発揮しているらしい。

 この若さでとは思えないような含蓄のある言葉だ。おそらく、本人の実体験に基づく内容なのだろう。


 相手の言動を真正面から受け止めて跳ね返そうとするのではなく、ちょっと見方を変えることによって気持ちにゆとりも生まれる。

 そんなゆとりが功を奏したのか、その後のやりとりによって当該の保護者の気持ちもほぐれていき、事態は沈静化したそうである。

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