シークレット・ベース
小学校6年生のころ、クラスの友だちと一緒に近所の空き地で「秘密基地づくり」をしたことがある。昭和40年代の話だ。
空き地に捨てられていた角材を4隅に立て、これもどこかから拾ってきたべニア板や鉄板で囲いや屋根をつくり、2週間ほどかけて広さ3畳ほどの掘っ立て小屋が完成した。
床などはなかったが、むき出しの地面の上にシートを敷き、放課後にゲームや漫画本を持ち込んで仲間と過ごすのが楽しかった。
結局、ほどなくして小屋は撤去されてしまったのだが、基地づくりをしているときの高揚感やそこで仲間と過ごした時間のことは、この歳になっても記憶に残っている。
・・・『secret base ~君がくれたもの~』は、ガールズ・バンドのZONEが2001年に大ヒットさせた曲だ。
子ども時代の「秘密基地づくり」をテーマにしたこの曲がヒットした背景には、メロディの美しさやバンド自体の人気もさることながら、その歌詞に自らの子ども時代の思い出を重ね合わせ、共感をした人が多かったということもあるのではないかと思う。
昨年12月26日に、奈良県桜井市は「市のごみ処理施設の一部を私的に占有していた」として、環境部業務課の40代の男性職員2人を停職2カ月の処分にしたと発表した。
同市の人事課によると、2人は昨年の3~4月ごろから、市グリーンパークの駐車場内にある「ピット」に扇風機やマットなどの私物を持ち込み、休憩用に使っていた。地下にあるピットは、かつて職員が収集車のオイル交換や点検をしていたときに使っていた場所で、縦2メートル、横4メートルほどの広さだという。
昨年9月に市へ匿名のメールが届き、この「秘密基地」のことが発覚した。2人は週に数回、収集業務の後や昼の休憩の際に利用していたことを認め、「専用の休憩室がほしかった」と話しているそうだ。
・・・この2人がやったことの是非はともかくとして、
「きっと、基地をつくっているときや使っているときは楽しかったんだろうな~」
と思う。
ZONEの曲とは違って、この2人はオッサンだけれども。