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世界はつながっている

 相鉄線・ゆめが丘駅の近くに、生搾りのオレンジジュースを販売する自販機があった。

 350円を払うと、丸ごと4個のオレンジを自販機の中で生搾りしたジュースが出てくるというものだ。

 水も砂糖も添加物も使っていない、正真正銘のオレンジジュースが味わえるという触れ込みである。

 オレンジを自動でカット、プレス、搾汁してカップに注ぐまでの工程を間近で見ることができるため、エンターテインメント性も高い。

 自販機の右上には、9桁の数字が表示されており、
「世界中で販売されたカップ数」
 という説明がついていた。

 どうやら、すでに世界中で1億カップ以上が販売されているようである。しかも、私が見ている前でその数字が刻々と増えていくのだ。

(12月のこんな寒空の下で、オレンジジュースを飲もうという奇特な人がいるもんだな)

 ・・・しかし、
(いや、「世界中」ということは、南半球の国々も含まれているわけだ。あちらは夏だから、そりゃオレンジジュースも飲むわな)
 と思い直した。

 さらに言うと、熱帯地方の国では常に気温が18°Cを超えているそうだから、いつでも生搾りのニーズはあるはずだ。

 ・・・自販機の売上カウンターの表示を見ながら、
「世界は広い」
 けれども、
「世界はつながっている」
 ということを実感した次第である。

 しかし、あまりにも寒かったので、今回はオレンジジュースを注文せずに立ち去ったということは言うまでもない。

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