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【高校無償化】学校教育の「三題噺」

 昨日(2月25日)、自民・公明の与党と日本維新の会は、高校授業料の無償化や社会保障改革について党首間での合意に達した。

 これにより、2025年度から全世帯を対象に国公私立を問わず就学支援金が支給されることになった。また、2026年度からは私立高校に通う場合の就学支援金の支給上限が引き上げとなり、私立高校についても授業料は実質無償となる。

 この合意によって日本維新の会が予算案の賛成に回るため、同案は衆議院で可決される見通しとなった。

 しかし、私立高校の「無償化」を巡っては疑問や批判の声も多い。特に公立高校の関係者の間には、
「私学の『無償化』が『公立離れ』を生み、少子化も相まって『公立高校の統廃合』が進むのではないか」
 という懸念が広がっている。


 ・・・先日、「教員不足」「AIドリル」「格差解消」という3つの言葉をお題にすると、いったいどんな「三題噺」ができるのだろうか、という内容の記事を書いた。

(ちなみに、「三題噺」とは落語の用語である。噺家が客席から3つの言葉をもらい、それを織り込んで即興の落語をするという演目のことだ。)

 試しに、ChatGPTに次のようなプロンプト(指示文)を与えてストーリーを考えてもらったのだ。

「教員不足」「AIドリル」「格差解消」という3つの言葉を使って、1000字程度の話を考えてください。最後にオチもつけてください。

 実際にChatGPTが考えてくれたのは、こんなストーリーである。

 ・・・今回は「高校無償化」「私立高校の人気上昇」「公立高校の統廃合」いう3つの言葉を織り込んだ「三題噺」を考えてもらおうと考え、ChatGPTにこんなプロンプトを示した。

「高校無償化」「私立高校の人気上昇」「公立高校の統廃合」いう3つの言葉を使って、1000字程度の話を考えてください。最後にはオチもつけてください。

 ChatGPTが数秒で考えてくれたストーリーは以下のとおりだ。
※ただし、ChatGPTが作成した「原文」の一部に加筆修正をしている。


「誰もが経済的な不安なく高校に通える時代がやってきた!」

 政府が打ち出した高校無償化政策に、我が子を私立高校に通わせている保護者たちは喜んだ。

 これによって私立高校の授業料は実質的にタダとなり、「教育の機会均等」が実現されたかのように思われた。しかし、その裏で静かに進行していたのは公立高校の衰退だったのである。

 高校無償化が始まると、それまで「学費が高いから」という理由で敬遠されていた私立高校の人気が一気に高まった。大学への進学実績がよくて、施設や設備が整っている私立に無料で通えるのならば、そちらを選びたいと思うのは自然だろう。

 一方、公立高校の施設や設備は古く、教師の数も限られている。かつては「学費が安い」という理由で一定の人気を保っていたが、その強みが無償化政策によってなくなってしまったのだ。

「うちの子も私立に行かせようかしら」
「学費が変わらないなら、公立を選ぶ理由がないよな」

 そんな声が高まり、公立高校の志願者は年々減少していった。偏差値の高い一部の進学校はなんとか生き残ったが、中堅以下の公立高校は次第に定員割れを起こし始めた。

 そして、ついに決定的な出来事が各地で起こる。

「来年度をもって、本校は閉校します」
 ある地方都市の公立高校で、全校の保護者を集めた説明会が開かれ、校長が沈痛な面持ちで発表をした。この自治体では生徒数の減少によって公立高校の廃校が相次いで決まり、この学校もその対象となったのだ。

 ニュースでは「少子化の影響」だと報じられたが、実際には「高校無償化による私立人気の加速」が最大の原因だった。

 他の自治体でも、生徒が集まらない公立高校は統廃合の対象となる。廃校が決まった学校の教師たちのなかには、別の学校へ異動することができず、行き場を失う者もいた。

 地元の人々も嘆いた。
「私たちの町には、もう高校がない」
「いちばん近い高校でも、片道で2時間以上かかる」
「結局、教育の機会均等どころか、学校そのものがなくなってしまったじゃないか」

 だが、この流れはもう止められなかった。

 ・・・それから10年後。ある公立高校の跡地には、ピカピカの新校舎が建っていた。そこには大きな看板が掲げられている。

「〇〇学園高等学校」

 その運営母体は、全国で数多くの高校を経営する学校法人だった。かつて公立高校があった場所には、各地で私立高校が進出していたのだ。

「学費は?  高校無償化で無料ですよね?」
 ある保護者が学校説明会で質問をすると、職員が笑顔で答えた。

「もちろん、基本となる授業料は無償です。ただし、本校ではより高度な教育活動として『特別カリキュラム』を導入しており、それらは別料金となります。それ以外にも・・・」

 説明会用の資料として配布されていた「費用一覧」の合計欄には、就学支援金をはるかに上回る金額が記されていた。

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