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「寿命」の話

「調理定年」という言葉がある。これは、
「仕事に定年があるように、調理に定年があってもいい。手作り主義をやめて、市販の総菜や冷凍食品、レトルト食品、テイクアウト、外食などを活用して食事をとる」
 という考え方を表したものだ。

 博報堂生活総合研究所の調査によると、【ココロの調理寿命】は平均56歳5か月、【カラダの調理寿命】は平均63歳1か月という結果になったという。

 ちなみに、【ココロの調理寿命】は料理をすることが気持ちの面で面倒になる年齢、【カラダの調理寿命】は料理をすることが体力的につらくなる年齢のことだ。

 なお、質問文などに「定年」という言葉を使うと、
(役職定年や定年退職を経験する55~65歳あたりを連想するかもしれない)
 ということで、あえて「寿命」という言葉を用いたそうである。

 ・・・【ココロの調理寿命】と【カラダの調理寿命】の間には約6年8か月の差があり、先にココロが調理から離れ、次にカラダが追いつかなくなるということがわかる。

 このほか、食事に関連する「寿命」でいうと、大盛りを注文することができなくなる【大盛り寿命】が44歳1か月、行列してまでラーメンを食べようとは思わなくなる【行列麺寿命】が45歳3か月、焼き肉をヘビーに感じて食べたいとは思わなくなる【焼き肉寿命】が50歳11か月となっている。

(これらは男女の平均値であり、それぞれに男女差があって興味深い。)


 最近は、高齢者が運転する車による交通事故が大きな社会問題になっている。やはり、【運転寿命】というものがあるのだろう。ほかにも、【恋愛寿命】や【エスカレーターではなく階段を使う寿命】など、数え上げればキリがない。

 当然、【読書寿命】や【学習寿命】といったものもあるのだろう。

 ・・・厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によると、実際の平均寿命は2023年の時点で男性81.09歳、女性87.14歳であるそうだ。

【大盛り】や【行列】はともかく、【読書】や【学習】に関しては「生涯現役」でいきたいものである。

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