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寄らば「林檎の樹」の陰

 Apple社は今月9日(米国時間)、新型スマートフォン「iPhone16」を発売すると発表した。日本のApple Storeでは、今月13日の午後9時から販売予約を開始するという。

 ・・・同社が「iPhone」の新機種を出すたびに話題となるのは、日本のスマホ市場における「iPhone」の占有率である。調査によって多少の違いはあるものの、どうやら日本のスマホ・ユーザーのうち「約7割弱」が「iPhone」を選んでいるようだ。

https://www.nojima.co.jp/support/koneta/104383/

 全世界的なシェアだと「Android」が約7割、それに対して「iPhone」は約3割だというから、日本はその真逆の数字になっている。

 ・・・正直なところ、「iPhone」と「Android」のどちらがスマホとして優れているのか、素人の私にはわからない。

「iPhone」を使っている理由を強いて挙げるならば、「周りの人の多くが使っているから」だし、「iPad」「MacBook」「Apple Watch」などを含めたApple社のイメージ戦略にまんまと嵌っているだけなのかもしれない。

「寄らば大樹の陰」
 いや、
「寄らば『林檎(Apple)の樹』の陰」
 なのである。


 今から8年ほど前に、某教育委員会に勤めていたときのことだ。

 市内の小中学校に、各校40台ずつの「タブレット端末」を導入することになった。「GIGAスクール構想」によって「1人1台端末」が実現するのはその数年後だから、当時は「各校40台」でも画期的なことだったのである。

 ・・・「タブレット端末」の機種を選定するにあたり、教育委員会の幹部たちから意見を求められた私は、次のように答えた。

「『iPad』がいいと思います。
 現場の先生方の7割ぐらいは『iPhone』を使っているので、操作性がよく似た『iPad』であれば、いちいち研修や説明会を行わなくてもすぐに使いこなせるのではないでしょうか」

 だが、教育委員会の幹部たちからは、
「お前はAppleの回し者か」
 と、一笑に付された。


 けれども、紆余曲折はあったものの、結局は市内の小中学校に40台ずつの「iPad」が配当されることになった。その後の「GIGAスクール構想」でも、小学校では「iPad」が採用されている(中学校ではChromebookを採用)。

 無論、「iPad」にも活用上の課題はいろいろある。しかし、他の機種を選択した自治体に比べると積極的に活用されていることは間違いないようだ。

 それは、導入した当初から、
「『iPad』を使うのは初めてだけれど、使い方は感覚的にわかる」
 という先生方の声が異口同音にあったように、
「寄らば『林檎(Apple)の樹』の陰」
 だったからだと思う。

 ・・・機種選定時のことを思い出すと、思わず笑いが込み上げてくるのである。

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