「スマホ」という「妖精」?
以前、通勤電車の中で見た光景である。
私の向かい側の席に座っている7人が、全員、片手にスマホを持っていじったり眺めたりしていたのだ。
電車内でスマホを操作すること自体は、別に珍しくもない光景である。だが、年齢も性別もバラバラな7人が、ほぼ同じポーズでスマホに向かっている様子には、さすがに驚かされた。
星新一の短編小説に『妖精配給会社』という作品がある。そのストーリーはこうだ。
近年のスマホは、端末自身の機械学習によって、ユーザーが求める情報を次々と表示してくれる。「主人」が好む情報は積極的に伝え、それ以外のことは覆い隠す。それは「妖精」たちがやっていたことによく似ている。
人間が「妖精」を操っているのか、それとも・・・。
ちなみに、星新一の『妖精配給会社』の結末が、ハッピー・エンドでないことは言うまでもない。
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