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移民たちの苦難と『終わらない歌』
この4月に転職して、平日に自由な時間が増えた。せっかくなので、これまで行けなかった場所へ積極的に足を運んでみたいと思っている。
「まずは、地元の横浜から」ということで、先週末に行ってきたのは、みなとみらい線「馬車道」駅から徒歩8分のところにある「海外移住資料館」である。
JICA横浜の中に設置されたこの資料館は、150年以上にわたる日本人の海外移住の歴史と、移住者や日系人の現在の姿を伝える施設である(館内の工事の関係で、今年の9月末までは土・日・祝日のみ開館)。
この館内では、南北アメリカやハワイへの移住の歴史について、年表・文献・写真・映像・展示物などをとおして知ることができる。
・・・貧困から抜け出すため、あるいは一獲千金を夢見て見知らぬ土地に渡った移住者たちを待っていたのは、けっして楽園ではなかった。また、第二次世界大戦中の米国やカナダでは、移住していた日本人とその家族が敵性外国人と見なされ、財産を奪われただけでなく、その二世や三世までもが強制収容所へ送られるという苦難を経験した。
それでも、移住者たちは多くの困難を乗り越え、その国の発展に寄与してきた。たとえば、ブラジルのサンパウロ州を中心にしたコーヒーの栽培では、コーヒー豆の自動収穫機を開発するなど、移住した日本人やその二世・三世たちの果たした役割が大きかったとされている。ちなみに、日本とは地球のほぼ反対側に位置するこのブラジルには、現在、約150万人の日系人が生活していると言われている。
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・・・もしも、1か月前にこの資料館を訪れていたら、
「日系移民の生き方に対する驚きと感動」
「日本人はスゴイ」
といった感想を抱けていたかもしれない。
しかし今回、心の中にモヤモヤしたものが残ってしまうのは、つい最近、ベトナム出身の技能実習生を主人公にした『アインが見た、碧い空』という小説を読んだからなのだ。
今の率直な心境は、
「久しぶりに、ザ・ブルーハーツの『終わらない歌』を聴きたい!」
なのである。