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学校現場でテクノロジーが普及するための条件(上)

 生成AI、ドローン、XR(※)、メタバースなど、まだ歴史の浅いテクノロジーが学校現場に導入されつつある。

※XR(クロスリアリティ)は現実世界と仮想世界を組み合わせる技術の総称で、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)が含まれる。

 おそらく、こうしたテクノロジーの中には、これから猛スピードで学校現場に普及していくものがあることだろう。

 その一方で、普及には時間がかかるものや、学校には浸透しないものもあるに違いない。

 その違いはどこにあるのだろうか? 

 そこで、すでに浸透している、
・児童生徒用の端末(PCやタブレット)
・デジタル教科書
・実物投影機(書画カメラ)やプロジェクタ
・小学校でのプログラミング教育
 を例に、機器や取組が学校現場で普及するための条件について、ざっくりと考えてみた。

【児童生徒用の端末(PCやタブレット)】
・国による補助金等の支援(「1校40台」の時期を経て、「1人1台」へ)
・教員のニーズの高さ(活用事例の蓄積)
・アプリやコンテンツ等の充実(企業にとってはビジネスチャンスでもある)
・教員研修やICT支援員の配置等、支援体制の充実
・教員による校務での端末の活用(教員のスキルの向上につながった)

【デジタル教科書】
・教員のニーズの高さ
・国による補助金等の支援
・学習指導要領や教科書との連動(使わざるを得ない状況の出現)

【実物投影機 (書画カメラ)、プロジェクタ】
・教員のニーズの高さ(学校や自治体の予算による普及)
・操作や管理の簡便性(家電に近い)
※「学校に◯台」や「学年に1台」ではなく、「クラスに1台」にした学校で盛んに活用された(「使いたいときに使える」ことが重要)

【小学校でのプログラミング教育】
・国としての施策(産業界からの強い要請)
・学習指導要領や教科書への位置付け(やらざるを得ない状況の出現)
・Scratch 等、小学生でも利用可能な言語の普及(多くは無償)


 こうした事例をもとに考えると、新たなテクノロジーの普及には、少なくとも次のうちの1つ(できれば複数)を満たすことが必要ではないかと思われる。
※順不同

・国としての施策
・国や教育委員会からの補助金(あるいは、無償や安価であること)
・学習指導要領や教科書への位置付け
・教員のニーズの高さ
・操作や管理の簡便性
・支援体制の充実
・コンテンツ等の充実
・活用事例の蓄積
・教員の校務での活用
・企業にとってのビジネスチャンス

(つづく)

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