#4 日本と綿について。
日本の綿花産業
日本の綿花の自給率はほぼ0%。
江戸時代までは長い間、日本でも綿花の栽培は盛んで、特に大阪や愛知で綿花が栽培されていました。
しかし、日本の綿(和綿)は加工が難しく、安価で加工のしやすい外国産の綿が流入し、昭和期には日本の綿花栽培は衰退していきました。
近年では和綿を復興しようというプロジェクトが各地で立ち上がり、再び和綿を栽培する動きが拡大し始めています!
和綿とは?
和綿は海外から伝えられた綿花を日本の気候に合うように、長い年月をかけて品種改良された綿花のことを言います。
綿花は元々日本の植物ではなく、熱帯・亜熱帯が原産とされています。
日本には9世紀初めに一度中国から伝来したのですが、上手く栽培することができず、長く中国から輸入に頼る高級品でした。
戦国時代に栽培方法が確立されると、全国に拡大していき日本でも綿花が盛んに栽培されるようになりました。
その後、各地で木綿産業が発展し、農民の貴重な収入源の一つとして盛んに生産されるようになりました。
和綿の特徴
和綿の大きな特徴に、
洋綿と比べて繊維が短く太い
という特徴があります。
そのため、夏は通気性が良く、冬は保温に優れています。
布団の詰め物などに使われ、日本の気候に合った綿花となっています。
一方、
洋綿は和綿と比べて大きく繊維が長く、糸の生産効率が良いため、世界で生産される綿花のほとんどが繊維の長い綿花が栽培されています。
その他にも、
和綿のコットンボールは下向きに
洋綿のコットンボールは上向きに実ります。
※コットンボール=綿の実が弾けたもの。
ガラ紡という紡ぎ方
では、和綿は糸できないかというとそういう訳ではありません。
ガラ紡(和紡ともいわれる)という日本で開発された紡績方法で糸にすることができます。
手紡ぎの原理を用いて、筒の中に綿を詰め込んで回転させながら引き伸ばしていく方法で糸を紡ぎます。
これによって、明治初期の日本では、飛躍的に作業効率が向上しました。
しかし、明治中期になるとより効率良く均一な糸を紡げる洋式の機械が登場したことで、勢いを失っていきました。
現在では日本に数社だけガラ紡を続けている会社がある程度になりました。
しかし、オンラインショップを見てみると、すごく味わいのある商品が作られており、実際に実物を見て、手に取りたいなと思いました!
おわりに
日本の服を作る技術の多様性と消滅の危機を知ったことをきっかけに、綿花のことも気になって調べてみると、日本の綿産業には色々な歴史に上に成り立っていて、それにも紆余曲折があって物語としてとても面白かったです。
もっと伝えたいこともあったのですが、構成上省略した部分もあるので、またご自身でも調べてみていただけると、色々と面白い発見があると思います!
和綿 歴史
コットン 日本 産地
などなどで調べてもらうと面白いかな!と思います!