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やさしいドメモの論文 3 ~高い数から宣言するモデル~
高い数から宣言するプレイヤーモデル
このモデルはドメモで使用する1から7の数字のうち、高い数(7や6)から宣言していくモデルになります。
7ー>6ー>5ー>4ー>3ー>2ー>1ー>7…
低い数から宣言するプレイヤーモデルの戦略とは逆ですね。
前回考察した通り、7は重複しやすい数字です。
初めに宣言していくことでより良い結果が得られると考えました。
シミュレーションの結果を記載します。
条件は前回と同様です(ドメモを5人で10,000回プレイ)。
![](https://assets.st-note.com/img/1642298468219-lzACDpPchY.png?width=1200)
グラフから読み取れる点を書き出します。
8回目がピークになっている
最大宣言回数は25回である
8回目がピークになっている
この結果は7が重複しやすい数字という事実を表していると考えられます。これは前回も述べました。
1回目から7回目までの宣言を1周目とします。1周目の宣言が終了した場合、1から7までの数字をすべて1回づつ宣言したことになります。
持っている数字が重複していない場合は、1周目で上がれるわけです。
一方で、8回目から14回目までの宣言を2周目とすれば、2周目の宣言は各数字を宣言する2回目の機会となります。
2周目で上がるということは、数字が重複していたということです。
8回目は2回目の7を宣言しています。
したがって、8回目がピークになっているということは、7を2枚持っていることが多いと言えるのです。
最大宣言回数は25回である
最大宣言回数が25回となることも、数字の重複に関連していると想定します。
まず、詳細にグラフの形を確認してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1642299011397-LDDl9VsYwQ.png?width=1200)
2周目と3周目のゲーム回数に注目します。
どちらも右肩下がりになっていることがわかります。
これは、数字の重複しやすさと関連していると考えました。
先程も述べたとおり、2周目は各数字を宣言する2回目の機会、3周目は3回目の機会だからです。
改めて、数字の重複度合いを記載してみます。
本シミュレーションではプレイヤーが持つ数字は4つだけです。そのため最大でも重複度は4となります。
次に数字ごとの重複する個数を見ます。
1は最大1個
2は最大2個
3は最大3個
4から7は最大4個
当然ですが、1は1個しかないため、重複はしません。2は2個しかないため、重複度は2です。
このように考えたとき、このモデルは2周目の宣言で意味のない数字を宣言していることに気が付きます。
1を宣言することは無駄なのです。なぜなら、1を2回宣言していることになるからです。
論文ではこのことを抽象的に説明しています。
このように考えると、このモデルの最大宣言回数は低い数から宣言するモデルと異なり、28 回も無いことに気がつく。
2 周目で自分の手札に 1 がある確率は 0 になり、同様に 3 週目では 2 がある確率も 0 になる。
抽象的に言えば n 週目に n − 1 のカードがある確率は必ず 0 になる。
このゲームでは 4 枚のカードを当てればいいので、4 週目までで必ず終了するが、4 週目においては 3, 2, 1 のカードが無いため、4 まで宣言した時点で必ず上がれる。
したがって、最大宣言回数は 7 の 3 倍、21 に 4 週目で宣言する可能性のある 7, 6, 5, 4 という 4 つの数字を足して、25 回であると言える。
最大宣言回数を単純に考えれば、持っている数字は4個、かつ1から7までの数字のどれかであるため、28回(4×7)になりそうです。
実際、低い数から宣言するモデルの最大宣言回数は28回です。
一方で本モデルは、高い数から宣言するという特徴上、25回が最大となります。
宣言をする周と持っている数字の関係性を記載します。
2周目では、1を持っている確率が0になる
3周目では、1と2を持っている確率が0になる
4周目では、1と2と3を持っている確率が0になる
これは各数字の重複度を考えればわかります。2周目で持っている可能性がある数字は重複度が2以上のものだけです。同様に3周目は2、4周目は3です。
したがって、4周目では4まで宣言を終える(4回数字を宣言する)と、このモデルは必ず上がれます。
簡単に数式で書くと、
最大宣言回数=
3周目までの最大宣言回数+4周目の最大宣言回数=
7×3+4=25
となります。
最大宣言回数という観点で比べれば、低い数から宣言するプレイヤーモデルよりも優れたモデルと言えます。