イベントレポート 「変なこと(アート)は仕事になるのか」
年内でサラリーマンを卒業する鰯です。年明けに起業したいなぁと考えている。どうせ起業するなら僕の夢を実現するための会社にしたくて、日本の「教育」や「働き方」をアップデートしたいなぁと日々妄想中。そんな訳で勤労感謝の日前後の7日間開催されていた ”TOKYO WORK DESIGN WEEK 2018" に足を運んでみた。
最近よく耳にする”STEAM教育”の中でも、"Art" は学ぶことも教えることも難しい、だけど惹かれるジャンルであるという認識があったので、このセッションを選択。
登壇者は、
「渚と」主宰、森隆一郎さん
「NPO法人Explat」理事長、合同会社syuz'gen代表、植松侑子さん
100BANCH コミュニティマネージャー、加藤翼さん
READYFOR(株)ソーシャルインパクト事業部マネージャー、小谷菜美さん
森さんと植松さんはアート界の中の人で、加藤さんと小谷さんはアートの周辺の人といった位置付け。トークのファシリテートは小谷さんと同じREADYFORの廣安さん。
イベントは19:30開始。最初の20分は森さんがアーツカウンシル東京で携わられた活動の内容を中心に動画で、アートに分類される方々を紹介しつつ、これもアートなのか?こんな形のアートもあるのか?と参加者の視野を少しずつ拡げ「アート」の世界に少しづつ進入して行く。
【きむらとしろうじんじん】
野点を行う陶芸家、美術家さん
http://breakerproject.net/project/kimura-toshiro-jinjin.php
【のヴぁてれび】
障がい者を型にはめ社会に順応させるのではなく良いところを伸ばす、クリエイティブサポートレッツさんのチャンネル
http://novatv.hamazo.tv/
【パーラー公民館】
財政的に苦しい沖縄、若狭地区で公民館を作るのではなく公民館の機能や役割を「パーラー」のように屋外で行ってしまう試み。
https://youtu.be/ftNohDTBTPI
【ままごと】
3.11の影響で中止になりそうになった、福島の高校生の演劇ワークショップ。個々人の想いをラップで表現。
(紹介された動画を探すことは出来ませんでした。。。)
【Arcola Theatre】
イギリスの小劇場、アーコラシアター。ロンドンの民族・アートにおける多様性を紹介。
https://youtu.be/_hOywXGGwxw
確かに一般的な認識からしたら「変なこと」がアートだ。仕事やお金になるのかギリギリのラインな印象。
その後、隣の方と「アート」とは何か? を1分間だけショートディスカッションし、単純な言葉だけど僕が考える「アート」と別の人の考える「アート」は結構違うものであることを確認した。
会場の雰囲気が徐々に高まり、じわりじわりと白熱していくのを感じる。
森さんのパートに続き、他3名の方の自己紹介を兼ねてトークが繰り広げられた。僕がメモした内容を列挙しておこう。
・アート、芸術文化、起業家は社会の中心的な存在
・文化資本が個人の中に貯まると民度が上がる
・日本が今、オリンピックモード 社会の大きな流れ方向性には逆らえない
・自分ごとを第三者的にメタ認知し、社会的な意味を考える 文脈に載せる
・考える力と学び続けることが必要 己を突き詰め紡いで繋げて行く
・アートが好きでも崇めてはいけない アートのパワーは誤用すると危険
・「変」と認知した瞬間に自分の中の「正」が揺さぶられる
・エッジ、変態性 結構大事かも
・アートは金銭に変換しにくくリターンが見えづらい 労働はライスワーク(食べるための手段)
・専門性が上がると言語がハイコンテキストになる ←これ激しく同意
・アートが好きなら飛び込んで手を動かしてみよう
・エンタメはニーズに応えるもの アートとの境界は「切実さ」かな?
・日本はイデオロギーなき社会主義国家
・社会を変えられるのは革命家、発明家、そしてアーティスト
・近未来はモチベーション格差社会か
・己を純化し、表出させること
※隣に座っていた方が、マインドマップのツールを使ってipadで議事録をつけていた。帰宅後、僕も真似してスライドの1枚をマインドマップで描いてみたのがこの一枚。
終盤はイベントで質問したいときによく登場するSlidoで集められた質問に登壇者のみなさんが回答していくコーナー。「プロボノ」って何?とか、アートを仕事にしたいけど始めの一歩が踏み出せないでいる参加者からの質問が多かった印象。
【まとめ】
アートに関わる人はみんな己を突き詰め、表現したいことを考え抜き、行動できる人間ばかり。個性的だけど多様性を認めていて批判されることを恐れない情熱を持った人々が集う領域がアート界なのだと理解した。
アートとテクノロジーが交差する領域でビジネスを展開しようと考えている僕にとっては非常に為になるイベントであった。
-森さんはnoteにも色々と投稿されている。note仲間が見つかると妙に嬉しい。
-植松さんはぶっ飛んでいてホント面白かった。森さんには「己道」がすごいと評されていた。
-加藤さんは理工系→哲学系→アート系と進んでいて、物静かながらも一言一言に含蓄があった。そもそもアートの日本語訳は芸術なのか?みたいな事も言っていたのが印象的。
-小谷さんはクラウドファウンディングの所属なので、周りの巻き込み方を色々と考えている印象。READYFOR、良い会社ですね。
イベントが終わり、ひとつ下の階にある「100banchi」をチラッと覗いてみた。
ここは大阪の電機メイカーP社さんも関係している若者向けの実験区。
賢い企業はみんな気付いている。固定概念で頭が固くなったジジイではなく、柔軟に思考できる若い人達が働き方や文化をアップデートして行った方が良いってことに。
あぁ、アートは面白いなぁ。
アートと言えば「孫子の戦略」はなぜ ”The Art of War”って英訳されるんだっけ。今日の宿題は僕の積ん読リストにあるこの本を読んで理解することだな。
次回は翌日に行った、黒鳥社 若林恵さんのトークライブについてレポートする。
#イベントレポート #TWDW #アート #100banchi