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17年連続で日本人が受賞しているイグノーベル賞がすごい

日本人研究者の受賞が当たり前のイグノーベル賞

今年の9月に人々を笑わせ考えさせたちょっと風変わりな研究に与えられるイグノーベル賞が発表されました。

以前にもイグノーベル賞について記事を書きましたが、今年も見事日本人研究者が受賞しました。

明治大学 総合数理学部 宮下芳明教授と東京大学 中村裕美特任准教授(受賞対象論文の発表時は明治大学大学院博士前期課程に在学)が栄養学の分野でイグノーベル賞を受賞しました。2006年以降17年連続で日本人研究者が受賞しているそうです。誇らしいですね。

その研究の内容は「微弱な電気刺激で味覚を変える」というものです。

出る杭も出過ぎると引っこ抜かれる

食器に微弱な電気を流すことで通常時とは違った味を体験できるそうです。自分が普段感じている味ってなんなんだ…と考えさせられます。

イグ・ノーベル賞(栄養学)の受賞は、宮下芳明教授と当時 明治大学大学院博士前期課程に所属していた中村裕美特任准教授が2011年に発表した論文「Augmented Gustation using Electricity」に対するものです。この論文は、微弱な電流を流すストロー・箸・フォークによって飲食物の味を変えて食体験の味覚を拡張するビジョンを掲げたものでした。この論文は、2021年にも、発表後10年間、多く引用され広くインパクトを与えた論文に与えられる「Lasting Impact Award」をAugmented Humans 2021で受賞しています。

https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2023/ignobelprize.html

この研究は味覚の拡張するというビジョンから始まっているものだそうです。着想から常識を逸脱していますよね。

日本では大衆とは異なる人は排除されがち印象がありますが、突き抜けて変わっている人は評価されるんだなと感じました。

宮下教授は今回受賞に至った研究以外にも味覚に関する研究を発表しています。「毒キノコの味を体験する」という研究はもはや食事アトラクションですね。

宮下芳明教授は今回受賞対象となった「電気味覚」以外にも、味覚センサーの測定値に基づいて任意の味を再現する味覚ディスプレイTTTVなど、多くの味覚メディア技術を開発しており、「白ワインを赤ワインの味に変える」「カカオを異なる産地の(より高級な)味を変える」「毒キノコの味を安全に体験できるようにする」「甲殻アレルギーでも安全にカニの味を味わえるようにする」など、味覚の常識を塗り替える研究成果を多く発信しており、10月末に開催される国際学会では、「口臭を起こさずにニンニクを味わう方法」を発表する予定です。

https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2023/ignobelprize.html

魚卵アレルギーがいくらの味を知る未来があるかもしれない

とてもユーモラスで味とは何か?を考えさせられる研究であると同時に、個人的には多くの人の役に立つ価値あるものだと思っています。

私は小さい頃に魚卵アレルギーを発症して以来、イクラとタラコが食べられません。最近でも誤って明太子を食べてしまった時は呼吸が苦しくなりました。しかもその時に食べた明太子が美味しかったのがまた悔しい。

命を賭けて魚卵を食べるほどではないけれどイクラというものの味を体験してみたいし、明太子は美味しかったのでまた味わいたい。

味覚を拡張するというビジョンが実現し、魚卵アレルギーの私自身がいくらの味を体験できる未来を信じています。

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