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大遅延!夜行寝台列車に乗ろう【ベルリン→ストックホルム】

日が短くなってきたストックホルムからこんにちは。

ベルリン旅行の帰りに夜行列車に乗車しましたので乗車記を。
スウェーデン国鉄(SJ)運行の列車で約1400km、18時間の長旅です。

SJ EuroNight 346
ベルリン中央駅 15:54→ストックホルム中央駅 翌9:57

DBのアプリより

お値段は日によって変動しますが、この日は学割で947SEK(約13000円)でした。まあまあ。


乗車前

(色々あり過ぎて長いです)

早めに15時前にはベルリン中央駅に到着。まだ電光掲示板には列車の案内すら出ていません。早すぎたかなと思いつつ、お菓子やパンを夕食、朝食用に買いだめます。

さて列車は何番線に来るのかな…と時刻表を眺めます。どうやら14番線らしい。ふむふむ。

さて14番線に…と、ここでハプニング発生。電光掲示板の時刻の右側に何やら白い数字が見えます。まさか…

はい、大遅延です。おい〜〜〜!
ドイツの鉄道はよく遅れるとは聞いていましたが、始発駅でもあっさり1時間以上遅延ですか、そうですか。

まあ1時間くらい想定内の範疇でしょう。駅の周りをふらふらと歩きます。立派なベルリン中央駅。

そして空き時間にビールとソーセージ。美味い!

ビールに栓がついていて、「これどうやって開けるの?」って隣の人に聞いたらカバンから栓抜き(!?)を取り出して開けてくれました。優しい世界!ありがとう!日常的に持ち歩いてるとはびっくり。

さてさて17時前です。再び14番線に戻ってみると先発案内にストックホルムの表示が。ついに相見える時が来たか…!

………来ません、17時を過ぎても。周りがザワザワしています。そして電光掲示板の案内が消えました。は?

しばらく待ちます。電光掲示板が壊れてるだけで突然来るかもしれないですし。全然関係ない列車が入線し、出発すると電光掲示板にストックホルムの表示が復活しました!!!

えっと…サイレント30分遅延?ふざけてる?
何度見ても17:30に遅れが増えています。先発から次々発に落ちたし。特大ため息。

まあ遅れは仕方ない。また時間を潰しますが、やることもないのでホームに来る列車を眺めていました。暇です。

来る電車はかっこいいんですけどね。

そうこうしているうちにSMSがスウェーデン国鉄から届きました。

「ポイント故障で遅れるよ〜 詳しくは分からんから発車時刻は駅の案内を確認してね〜」ですね、おい雑やな。このあたりから運休になったらどうしよう、がチラつき始めます。ポイント故障、直るんか?

そして17時半、再び先発列車としてストックホルム行きが表示されました。

何度でも同じ写真を撮る

えっと来ません… また表示からも消えました。さっきと同じ手口です。どうせ来ないしコンコースに降りて掲示板を見るとまた30分遅れて18時発に書き直されていました。やりやがった…

ただ駅構内を練り歩き、再び18時に14番線へ。もう期待していません。どうせ列車は来ないし18時半発に書き直されるんですから。

来ません。再び掲示板からも消えました。後ろではブーイングも起きていました。
仕方ないのでコンコースに降ります。電光掲示板を見ると…

18:45になってますね。なんで延長の間隔長くなんねん。でも正直適当に30分ずつ延ばされるよりはちょっとだけ信頼できます。

また時間潰し。ベルリン中央駅に着いてから早くも3時間が経過していよいよやることがありません。ひたすら買い食いしていました。お財布に悪いよ…

やることもないので14番線で待ってみます。これは待ち時間で買った魚のフライとポテト。

18時半を過ぎ、掲示板を見に行きます。そろそろ表示されてるかな?と見てみると…

完全に画面から消えていました。

え?運休?どういうこと?10分前には確実に書いてたのに?
急いで駅に立っている駅員さんに聞きます。

僕「ストックホルム行きの遅れの電車はいつ来るの?」
駅員1「その電車は知らん」
駅員2「Euronightのこと?」
僕「そう」
駅員2「18:53に来るよ」

駅員1の態度さあ… スウェーデン国鉄運行の列車なので知らないと言いたいんでしょうが、それでもこの駅に着く列車なんですよ、責任持ってくれ。駅員2がまともで助かりました。分単位で刻まれると多少信憑性が高まります。

18:53、電車はまだ来ません。先ほどまでいたはずのストックホルムに行きそうな客も何故か全然いなくなってしまい不安が駆り立てられます。そもそも電光掲示板から消えてしまったので14番線に来るかも分かりません。

いつ来てもおかしくない状況ではありますが、一か八かでコンコースのインフォメーションセンターに駆け込みます。

僕「ストックホルム行きはいつくるの?」
係員「数分で来る、早く14番線に行け」

もう何も信用できねえ… でも顔が自信ありげだった気もする… しかしもう待つことしかできません。

そして19:10、その時は訪れました。ゆっくりゆっくりとICEでも赤いシーメンスの機関車でもない謎の光を放った車両が入ってきました。これはまさか…!

ストックホルム行きです!ついに会えました!ヒーローは3時間15分遅れてやってくる!

急造なのか簡素な表示に切り替わりました

ところでやってきたのは13番線です。おい、あの自信ありげな「14番線に行け」はなんだったんだよ。

写真をゆっくり撮る暇さえなく、入線からたった5分足らずで19:15に列車は発車。

夜行寝台列車の夜

ベルリンでは列車はガラガラ。これが今回の僕の部屋。

三段寝台の6人1部屋ですが、自分しか乗っていません。いや〜悠々自適。昼間はこのように三段寝台の中段を畳んで椅子として使います。寝る時はこんな感じ。

壁のポケットには様々な冊子が。組み立て方や、車内サービス、ベルリン→ストックホルムの案内、そして安全のしおりです。

なかでも案内の裏面の地図は停車駅の位置関係が分かりやすくかなり好みでした。

さて、すぐに車掌が検札に来ました。曰く「23時半のハンブルクから5人来るからよろしくね」とのこと。そうですか。ではそれまでに寝る準備は済ませるとしましょう。

夕焼けが綺麗。列車は140km/hとなかなかの快足です。
ハンブルクに向かう中、Googleマップを開けて現在地を確認すると、

あれ、なんでハノーファーついてんの??本来の予定経路はこちらのはず。


明らかに遠回りしてるっぽい。これはまた遅れるのかな… そんなことを考えながら気づくと寝ていました。(後から知りましたがどうやら線路工事の影響だったみたいです)

目を覚ますと時刻は22時半。もうハンブルク近郊にいました。本来のハンブルク到着時刻は21:56。とても3時間遅れ&迂回の列車とは思えない時間の巻き方です。元のダイヤが余裕がありすぎるんだろうなあ。

ハンブルク到着。沼津の踊り子みたいにホームに転線しながら入線してびっくりした(伝わりにくい例えでごめんなさい)。

ここまで閑散としていた車内も満席になる勢いで人が乗車し、たった53分遅れになったストックホルム行きは発車しました。

電気を消し就寝。今回の同部屋6人は当たりで全員静かでした。たまにイビキの音がキツかったりするんですが、今回は快適そのもの。いい睡眠が取れました。

夜行寝台列車の朝

コペンハーゲン郊外

よく寝たとはいえ時折起きて、「大谷6打数6安打3本塁打10打点2盗塁」のニュースに「なにこれ???」とツイートするなどしていましたが、ちゃんと目を覚ましたのはコペンハーゲン空港駅到着前の放送。

「ベルリンでのアクシデントで4時間半遅れで走行中です」

ん???あれ、ハンブルクの時点で遅れ1時間切ってたよな???どうしてそうなった???

位置情報の記録を確認してみるとNeumünsterというハンブルクから北に60kmくらいしか行っていない駅で3時間以上停車していたようです。何があったんだよ…

列車はコペンハーゲン空港駅を発車し海峡を渡ります。一番後方の車両に乗っていたため後方展望を楽しみました。国境に国旗の色が塗られています。🇩🇰🇸🇪

🇩🇰🇸🇪

スウェーデン最初の駅はマルメ中央駅。ここで機関車を付け替えます。まずデンマーク区間を担当してくれた機関車がこちら。

Hector Railはスウェーデンの民間の会社らしいです。調べた感じ、メインは貨物っぽい。

そしてここからストックホルムまでのスウェーデン区間の機関車はこちら。

お馴染みスウェーデン国鉄の機関車ですね。
機関車を付け替えるのと同時に食堂車、座席車×2も連結されました。

マルメ出発前から食堂車には列が。そう、朝食の配給です。

朝食は通常一等のみサービスのはずですが、4時間半の遅延なので軽食のサービスがありました。空腹だったのでかなり助かります。

まあこれだけじゃ到底足りないので結局買い足しました。

部屋に戻り同部屋の人と寝台を畳んで座席にした後はずっと座席車か食堂車にいました。座席は自由に使えて、景色が見やすいしコンセントも使いやすかったので快適でした。

ストックホルム到着前には食堂車に座っている人にシナモンロールの無料配給が!隣の人が断ったので最後だった僕が2つもらえてしまいました。ラッキー!

14:20に列車はストックホルム中央駅に到着。所要時間19時間5分。定刻から+4時間23分の大遅延でした。

到着直前に見える市庁舎
ストックホルム中央駅

感想

やはり一日中鉄道に乗って移動ができる楽しみには中毒性があります。当日の夜これを書いていますがまだ余韻に浸っています…

乗る前のベルリンの駅での対応には困りましたが、乗った後は非常に快適で乗務員さんも丁寧でした。ただ、国を3つ跨る都合でそれぞれの国での遅延状況をまとめて見ることができず、各国のサイトを転々とする必要があるのは少し不便を感じました。

最後に余談ですが、よほど鉄道好きでもない限りはハンブルクから乗るのが合理的だと思います!ベルリン〜ハンブルクはこの列車だと6時間ですが、ICEなら2時間半ですからね!!!

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