【怪談】夜の公園

ねえ先輩、夜の公園って怖いと思いませんか?
駅からの帰り道に小さな公園があるんです。滑り台と、鉄棒と、ベンチがあるだけの。
いつも仕事終わりだと22時頃になるんですけど、ついついその公園を、見てしまうんですよ。
何も異常がない事を確認したいと言いますか・・・。分かります?
まあ、特に何もないんですよ。時折若いカップルがベンチで雑談していたりしますけど。
その日もいつもと同じく、公園にちらっと目をやったんです。
そしたら、変な女性が、いたんですよ。
公園の真ん中にぼうっと立っていて。
私、なぜか気になってしまって思わず足を止めてしまいました。
こんな時間に公園に佇んでいるなんて、ちょっと変わった方なのかな?と思ったんですが。
数秒見つめて背筋が凍りましたよ。
その女性、背中と顔がこっち向いてるんです。
あまりに恐ろしくて、無我夢中で走って逃げました。

何が怖かったかって、その顔がすごかったんですよ。
目がとても大きくて・・・。そうですね、私のこぶしくらいはあると思います。
口はまん丸でね、小さいんです。ちょうど10円玉くらいの大きさですかね。
それから、鼻は無いんですよ。本来なら鼻があるべき場所はつるっとしていて。
髪の毛は・・・。
え?夜道で見ただけなのに、どうしてこんなに鮮明に覚えているかですって?

だって今、その人先輩の横にいるんですよ。
どうやら私、もうダメみたいです。

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