ファッションマーク 〜ニット ④ニットとカットの見分け方〜
③の続きです。
③ではニットを見分ける特徴
1、リブスタート
2、ファッションマーク(減らし目、移し目)
3、リンキング縫製
のうちのリブスタートの説明をしました。
ニット:横編み機で編む、リブスタートでパーツを一着分ずつ編む
カット :丸編み機で筒状の生地を編んで裁断する、リブなどは 別で編んで縫製でつなぐ
でした
今回はファッションマーク(減らし目増やし目跡)です。
注:このファッションマークというのは普段日常で使ってるファッションの意味ではないです。正確ににはファッショニングマークといって編み目の増減や移し目でできる跡ということのようです。ニット業界用語の一つ。
手編みから進化していったニットは
布帛のように生地をつくってパーツを裁断して
縫製するのでなく、パーツ、パーツを直接編んで縫製します。そのためのリブスタートであり
成型編みです。
だいたいこんなイメージです。
それぞれのパーツの形を直接編むのに必要な
技術が編み目の数の調整です。
減らし目、増やし目。
図のように一列の編み目の数をちょっとずつ減らして形ををつくります。
(逆に増やすこともできるので徐々に大きくすることも可能)
といってももともと手編みはこうやるので「横編み機は手編みでできることをできるだけ機械でできるようにしたもの」と考えていいと思います。
メリットは糸を無駄にしないこと、カットソーや布帛では裁断後の切れ端がかならずでます。カシミヤなどの高級糸を使うとバカにならないみたいです。
(アームホールの減らし目)
(下拡大図)
囲った部分が前身頃と袖見頃それぞれの減らし目部分。これをファッションマークといいます。この編み目の増減が横編み独特の技術です。
減らしのやり方も色々あるので見え方はものによって多少変わります。
下の画像はハイゲージニット
上の画像のニット同様に袖と身頃のつなぎ目のあたり
(拡大図)減らし目、なんとなくわかればとりあえずヨシです。
これはミドルゲージあぜ編みですが、
やはりちゃんと減らし目(ファッションマーク)いれてあります。
前述のボーダーteeシャツ、カットソーの袖付けはもちろんこんな感じです。
裁断してミシンで縫製。
前述のバトナーのウールteeシャツ。
素材がウールでもカットソー。裁断縫製です。
<まとめ>
ニットとカットの見分け方その2は減らし目、増やし目(ファッションマーク)があるかどうか。
補足:減らし、増やし目はもっと目立たないやり方もありますが、しっかり入っている方がニットらしさがでます。なのでわざとこのファッションマークをデザインもかねて使います。
因みに画像の減らし目はいずれも内減らしのバリエーションです。
きれいにニットらしさが際だつやり方なので多用されます。
次回リンキング縫製に続きます。