シューズの素材②『各種ソール』
シューズの素材①の続きです。具体的に各種ソールをみていきましょう。
○レザーソール
エステルサテンバレエ
画像のエステルサテンバレエの裏
ソールはレザー、ヒールは合成ゴム?だと思われます。
○天然ゴムソール
(ゴムの木の樹液、“ラテックス”を固化したもの、典型的なのはクレープソール。ローテクスニーカー、バルカナイズド製法のものなどは基本天然ゴムベースですが合成ゴムと混ぜてつかわれるケースも多い。)
クラークスに通常ついてるタイプ
クレープソール。天然ゴムのラテックスを固めたもの。ご覧の通り汚れやすいこと、夏溶けて冬凍ることは欠点。独特のやわらかなクッション製と見た目は唯一です。
○合成ゴムソール
(合成ゴム自体は主に石油系由来の化学工業製品、もとは天然ゴムの代替品。ソールとしては強度、耐久性、耐水性あるものが生産可能。当初、重い、通気性ないというのが欠点だったが日々進化改良されていっている。発泡性のものは軽い。天然ゴムと混ぜて使われるケースも珍しくないので明確な区別は曖昧になってきている)
下の画像のパンプスとクロケットのキャップトゥは一般的にフォーマル度の高いアイテムです(式典関係にも履いていけます)が、
定番エナメルパンプス
ソールは合成ゴムでした。
アッパーはレザーでしたがソールはゴム底。
丈夫で長持ち、耐水性強い。
薄いレザーソールのかわりとして薄い合成ラバーが使われてます。が、フォーマルさをそこなってません。
クロケットのケント
クロケットの内羽根ストレートチップでさえも今は合成ラバーソールのものが存在します。
しかもクロケットオリジナルソールです。
ダイナイトソールをつくっているハルボロラバー社製。
おそらくグッドイヤーウェルト製法用に開発されたソール。時代の変化です。
見た目はダイナイト同様すっきりしてて、こちらもフォーマルさをキープしてます。
○ウレタンソール
(ウレタン・ポリウレタンフォーム。クッション性、耐久性に優れているが、加水分解する。加水分解してしまうとアウト。履いて歩いて体重かけると密度がしまって耐久性があがる。ほっておくと湿気で加水分解)
昔のチャコのZ2です。(10年前くらい)このフットベッドを兼ねたミッドソールがウレタン製。
この黒い部分です。まだ加水分解はしてないです。十分優秀てす。アウトソール(茶の部分)はこの当時はビブラム社製の合成ラバーのようです。
○E V Aソール
(エチレン酢酸ビニルポリマー、現在一番使われているであろうソール。なんといっても軽さ、クッション性。加工アレンジ、応用はかなりきくので形状・見た目は様々。加水分解しないらしい。ちなみに経年劣化は縮むらしいです。耐摩耗性は弱め。)
前回のPVCストラップサンダル
裏です。
横です。おそらくEVA。
結構エッジのきいたソールがついてます。
ただ、メチャメチャ軽いです。
ニットアッパーのホカ
裏です。
この“ボンダイ6”というモデルのソールは全てEVAでできてるそうです。
ミッドソール部とアウトソール部がありますが、それぞれ目的が違うのでそれぞれ成分などもちがう、つくり方もちがうEVAということだと、、、。黒いパーツもEVAのまた違う種類のものだと思われます。
スポーツサンダル系のものはソール本体(台とアウトソールが一体となったもの)そのものが合成ゴムやウレタン、EVAなどでできています。
女子テバの厚底サンダル、テバ、フラットフォームユニバーサル。
よーく見るとソール6層に分かれてます。
基本はEVA。
ウレタン+EVA+合成ラバー?の組み合わせ?
触ると足をのせる上の層ほど柔らかく、地面と接する下の層はしっかり固めです。
一番下の白い部分は合成ラバーシートのようです。
同じく、テバ、ハリケーンXLT2。
みえてる、ベージュの部分はEVA。
裏のアウトソールは合成ラバー。
合成ゴム、ウレタン、EVA、いずれも建材から緩衝材、服飾雑貨その他に至るまであらゆる目的に使われる素材として、広く研究開発されてるので素人が正確に把握して区別することは不可能なようです。
今回の実例画像もまず間違いないだろうというものとメーカーサイドが素材を解説してくれているものとで載せてます。
見た目の区別ができるようになろうと思い色々調べましたが、今回もまた『わからないということがはっきりわかる』というあるあるになってしまいました。
残念ながらノーヒントで見た目で区別する方法はなさそうです。
注意:革靴とスニーカーとサンダルをいっしょくたに説明するのはルーツや構造を考慮するとどうやらあんまり良くないようなんですが、店頭ではここ数年、特にスニーカーが増え、夏前にはサンダルだらけになってしまうという状況もあり、とりあえず一緒くたに扱ってみてます。
<まとめ>
・ソールの素材も選択肢はいくつかあるが、ソールとしての要件(クッション性と耐久性の両立)を満たす素材でなくてはいけない。
現在よく使われている主な素材は『レザー、天然ゴム、合成ゴム、ウレタン、EVA 』など
・合成ゴム、ウレタン、EVAは『混ぜたり、着色したり、硬さの調整したり』と色々と応用が効くので見分けるのは至難の技(発砲プラスティックという資材のジャンルの一つらしいです。)