盛夏対応シャツ(編み組織・捺染:新カットソーシャツで色々と復習します)
こちらはメンズドレスの新しい商品。一見お仕事用ストライプシャツです。
実は普通のシャツではありません。
すごく伸縮します。どうやらカットソーのようです。しかもストレッチ入り。
(ちょっとわかり辛いですが)
しかも触るとヒンヤリなので接触冷感的な素材を使った便利アイテムです。
とりあえず、久しぶりに生地の組織を拡大してみました。
この連続のV字、これはなんとなく見おぼえが、、、たぶん、天竺目、ですが、
横使いでは?(わざと生地を横むけに使うこと。ブルーの色はストライプ柄の一部です)
半回転させると
やはり天竺目っぽい、でも目がかなりギュッと詰まった感じです。
裏側はどうか?(半回転させてません)
やはり天竺目の特徴の横畝組織。(天竺横使いの裏なので畝は縦方向に向いてますが。でも、ちょっと組織が複雑な感じがします。目がぎちぎちに詰まってるからでしょうか、、。)
天竺目。表組織、裏組織。これです。覚えてますか?
それと編み地の横使いというのはこれです。
この時はパール編みの横使いの解説でしたが今回のは天竺目の横使いです。
つまりチャンピオンのリバースイーブと同じことをやってることになります。
(オーラリーのチャンピオン風スエットがまさに天竺横使いボディです)
天竺を横使いするおおもとの目的は洗濯等での天竺目の縦方向への詰まり(縮み)への対応です。(そのまま使うと丈が短くなってしまう。昔の話ですが)
なぜ、このシャツで横使いなのか?正直ちょっと分かりませんが、、。
とりあえず、布帛(織物)ではなく編み地(たぶん丸編み、カットソー)のようです。
他にも気になることがあります。
この生地、シャツらしいストライプ柄ですが、裏は上の拡大図の通り無地白です。
表のストライプが透けてうつってますが
裏こんな感じです。
ついでに品質表示。
(なんとナイロン75%ポリウレタン25%!うちでは全然見慣れない素材ですがどうやらこれが接触冷感素材っぽいです。スポーツウェア、ストッキング、マスクとかに使われるやつでしょうか?)
とりあえず裏は無地ということはこの一見シャツに見えるストライプ柄は編み柄でなくプリントってことです。
この染色の回の後染めの捺染ってやつです。
通常は布帛のシャツなら経糸を使って表現するいかにもシャツっぽく見えるストライプ柄をカットソー生地にプリントしてるということです。
最初みた時は生地を触ってみて「たぶんカットソーだな」と、「それでプリントで柄だしなんだな」と思ってたのですが。
(カットソーではビジネスシャツの定番のストライプ柄は柄だしできませんので。)
これのことです。
でも、編み地を横使いするんならボーダー組んだらストライプ柄になるけどなと思いつつ、何か別の事情があってプリントなんだろうと思います。
ちなみに編み地で2色の糸を使って普通にボーダーを組むと
このように編み地のコースごとにはっきりと色が分かれます(当たり前ですが、、)
このシャツの生地は(画像半回転してます)
プリントなので編み地のコースに関係なく色がついてる感じ。境目が曖昧です。染料のはいり方も濃淡があります。
実はこのシリーズ、柄が色々あって、ストライプの別パターン、チェック、
ピンチェック(タイトル見出し画像はこの柄の拡大です)などあり、
ほんとにどれも一見布帛のシャツに見えます。
ちなみに鹿の子っぽい柄(もともとカットソー)もありますがこれもプリントです。
拡大画像ですがこの柄の感じが拡大してないとうまくカノコに見えます。
(いわゆるクールビズ用のカノコシャツに見えます。)
こんな感じです。(よくできてます。)
このシリーズは
“ナイロン75%、ポリウレタン25%の接触冷感系素材の編み地にプリントでシャツの柄を表現して、夏用のヒンヤリ伸縮性抜群のビジネスシャツにしてる“という商品企画のようです。
柄はプリントで表現した方がバリエーションがだせるということなんだと思います。(縫製もシャツ縫製なのでほんとにシャツに見えるんですが、実は縫製技術がすごいのかも)
<まとめ>
・新しい製品も新しい技術と基本の技術の組み合わせでできている
・基本の知識で色々とわかることもいっぱいあります
<まとめ2:実はこのシャツでよくわからないこと>
・ほんとに天竺目なのか?(間違ってたらごめんなさい!)
度目の詰まり方?何本どり?、裏が複雑、中糸、裏糸あり?
・このナイロンの接触冷感素材は何?
触ると明らかにヒンヤリ。ナイロンはもともと熱伝導率良いらしいですが特にインフォメーションない素材だけど何?
・こんな伸びる素材、シャツ縫製できるの?
普通に縫えるもんなの?
いつ迄たってもわからないことだらけです。