リブ(ゴム編み)❶
このテーマはすごく説明が難しく面倒なのですが、避けて通れないのでやります。
(画像❶)
これはシェットランドニットの裾リブの拡大図です。リブ目と天竺(表目)の境目がよくわかると思います。
もう知ってる人は知ってると思いますのでさらっと進みますが、リブは天竺の表目と裏目の組織の繰り返しでできてます。
「ニットは下から上に編み進んでいきます。裾のリブ編みから始めて天竺編み(身頃の編み地)にきりかえます。これがリブスタートでした。」
(画像❷)
これは同じニットの裏っかわです。
上半分が天竺裏目組織になってるのがわかると思います。
同時に画像❶と❷のリブ部分の組織が同じパターンなのもわかると思います。
(ミドルゲージニットに多用する2×2のリブです。2目表で編んで2目裏で編むを1コース繰り返し、それを20〜30コース繰り返して、裾リブを完成させます。
そのあと身頃の天竺目に切り替えます。)
そうするとこの画像のようにリブスタートからの天竺目ニットになります。
メチャクチャ普通のつくりかたです。
実物これです。
(シェットランドも一度押さえなきゃいけないジャンルのニットなので、やれたらやりますが、気になった人は一旦自分で調べてください)
リブは表目裏目の繰り返しで横方向の伸縮の大きい編み地組織です。ネックや裾や袖口など伸縮性が必要な箇所に利用されます。
なんなら裾リブや袖リブはパーツとしてそれのみで編み立てられて、あらゆる物に使われています。とっても便利な組織です。
カットソーや布帛だけでなくレザーアウターなんかにもくっついてます。(ミシン縫製)
もちろん皆さんご存知の通り、付属としてだけでなくボディも全部リブ組織の製品もたくさんあります。
例えばリブタートルにすれば横伸縮を利用した体にフィットするなんでも羽織り放題の万能インナーになります。
ウィメンズのシルクリブはもう15年くらいやってます。(あれちなみに16ゲージらしいです)
普通はここでリブの説明は終了します。私も何度もこの説明を聞き、本や資料でも読み、なんとなく納得してきました。
でもずーっとちょっと引っかかってはいたんです。
「天竺の表と裏って言うけど、具体的にはどうやって編んでんの?」
手編みだと簡単です。
本当に書いた通りに編んでくので2目表編みして2目裏編みしてで編めます。
「でも機械編みだとどうなってるの?」
ニット関系の仕事の人に話きいたり、本とかも読んでたりしたので、逆に納得いきませんでした。
本はだいたいややこしいこと書いてありますし。
針床が2列だ、総針だ、針抜きだ・・文章とか多少のイラストとかで説明されても全然わからない。10年くらいはわかりませんでした。
ですが突然わかるタイミングがやってきます。
実物の編み機をみる機会があったんです。しかも多少実際に編みたてもやりました。
10年わからなかったのに一目でわかりました。衝撃的に理解できました。
以前に編み針はこんな感じにつめてズラッと並んでます、という画像のせました。針床(ベッド)といわれてます。
画像①
(実は手元に針床の写真がこれしかなくて、ベラ針の針先とか全然写ってないです。ピッチとズラッと感だけわかればいいかな、ぐらいでのせました)
実際編み機の針ってこういう風にに並んでるというわかりやすい図解があるのでこちらどうぞ
今までみた図解の中で一番わかりやすいです。上から見ていって、針床図の横編み機の欄、2列針床タイプの逆V字型。
ここを見てください。これがスタンダードな横編み機の針の並びです。
(手作りしてみました。こんな感じのイメージです。真横から見た感じです。)
針って2列(2枚ベッドとかいいます)ならんでるんです。ここからしてまず教わりません。しかも逆V字型に背中合わせに並んでるって、教わらないと絶対わかりません。
実は上にのっけた針ズラッとの画像①は逆V字型の片側の針床だけをを正面から撮った写真です。
だからこの写真の裏側にはもう一列同じように針がズラッと並んでます。
私は自分の中で2列の針床を前列、後列という感じでおぼえました。
上のURLの図解をもう少し下までみるとキャリッジという項目があります。
逆V字針床の上を左右をいったりきたりしてる図がありますがこれがキャリッジです。
このキャリッジという機構が糸を針床に給糸しています。
これが左右にいったりきたりするたび編み地が1列(1コース)ずつできあがっていくのが横編み機です。
ここまでで限界な気がしますので一旦終了です。
<まとめ>
・リブ(ゴム編み)組織は天竺表目と裏目の連続。左右に伸縮性の高い編み地になる。
・左右に伸縮するので洋服の伸び縮みが必要な場所に広く利用される(付属パーツとしてはニット、カット、布帛、レザーすべてに使われる)
・編み機の針の並んでるところを針床という(ベッドともいいます)
・スタンダードな横編み機には針床が2列あり、逆V字で背中合わせに針が並んでる
❷に続きます。
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