柚木麻子・柚月裕子問題 2024/12/29
電車で映画館へ行って『私にふさわしいホテル』を観た。柚木麻子の小説が原作の、女性小説家を主人公にした物語だったので、これは作者本人じゃないかと思える場面がいくつもあって面白かった。
書店で万引きした男をボコボコにするシーンが印象的だった。書店が経営難で次々と潰れている昨今、その要因の象徴として「本を万引きする奴」が退治されたところで、出版業界を少しでも明るくしたいという作者の思いが滲んで見えたような気がした。
名前が似ている才能ある若い作家が登場してジェラシーを燃やすところは、作者が柚月裕子と間違えられた経験があったのではないかと邪推してしまった。どちらが先にデビューしたとか、作風がどうなのかとかは詳しく知らないが、いつも字面があまりにも似ていると思っていた。
その他、文学賞への固執や編集者との関係など、どのくらい実体験をベースにしているのか想像しながら観るのは楽しい。
帰り道に原作本を買おうと思って本屋へ寄った。柚木麻子の棚の続きには柚月裕子があった。
『BUTTER』 → 柚木麻子
『ナイルパーチの女子会』 → 柚木麻子
『孤狼の血』 → 柚月裕子
『盤上の向日葵』 → 柚月裕子
Amazonで「柚木麻子」と検索したら、スポンサーのレコメンドのような形で、いちばん上に「柚月裕子作品特集」のバナーが登場する始末だ。
無事に『私にふさわしいホテル』を発見し購入した。マクドナルドへ入って、3分の1くらい読み進めた。映像で見た直後だからか、かなり読みやすく感じた。シャンパンを「文豪コール」で飲む場面は、かなり堤幸彦節だなと思っていたが、原作でもかなりハイテンションに描かれていた。
帰宅してからは、久しぶりに伊集院光のラジオを聴いた。ツイートする前にChatGPTにその反響を予想してもらってリスクを回避するやり方があることを知ったという話をしていた。ChatGPTがあり得るリプライを5種類くらいに分類して提示してきてすごい、という話しぶりだったが、ChatGPTが示すリスクは「何をつぶやいても炎上する可能性はゼロではない」という前提に立てば予想できるものばかりのように思えた。Xの機能として実装するなら、柚木麻子と柚月裕子を間違えているときに指摘してくれるくらいがちょうど良い。
ワイヤレスイヤホンの充電の減り方が早まっている上、たまに音声が途切れるなど不調が増え始めているので、買い替え時なのかもしれない。
きょう見た動画
今週の人文ウォッチ #4
きょう聴いたラジオ
ゆる哲学ラジオ #104