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暴力加害者の、変化のハードルの高さ
暴力さえなければ完璧なのに、、
「暴力(言葉だけも含む)さえなくなってくれたら、いい人なのに、、」
こう悩まれているロスさん、たっくさんいます。
私もそうでした。
「気が向いた時だけ優しくなる状態がずっと続いてくれたらいいのに。」
「実家にいる時みたいに家の中では自分の素のままで過ごせたら、他には何もいらない、、、」
「暴力の1点のみどうにかなってくれたら、幸せに暮らせるのにな、、」
解決までの道筋を、本当に色々と模索しました。
Bさんにとって変わるということは、「特権を失う」ということ
Bさんにとっては、自分が変わるメリットが正直ほぼないから変わらないんです。
自分の顔色を伺って、自分の望むように環境を整えてくれるロスさんは、Bさんにとってはある意味都合が良いですよね。
Bさんは周りの人間が自分の思い通りに動いてくれるものだという「特権意識」を持っています。
自分が変化しない方がBさんにとってのメリットは大きいため、特権を手放すことに抵抗を示すのです。
他人と過去は変えられない
私の好きな言葉の一つに、カナダの精神科医であるエリック・バーンさんが唱えた
「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」
というフレーズがあります。
これ、本質を突いているなと思います。
人はとかく他人から指示されることを嫌う割に、他人を変えたがる傾向にあります。
この矛盾って結構本人は気づいていないことが多いんですけどね笑
なので、人を変えようとすること、さらにそれがBさんというのはものすごいハードルです。
人は
「自分が変わろう!」
と思わない限り、変われません。
家族が肝臓の数値を見せて、いくら体に悪いと説明しても隠れて飲酒してしまうのは、本人が心からお酒を辞めたいという意思がないからだったりしますよね。
脳が完成するのは25歳くらいなんだそう。
一概には言えませんが、年齢が若ければ若いほど変われる可能性が高いそうです。
それに加えて「本人に変わる意思がある」のであれば、可能性はゼロでもない、、、かもしれません。
自分の心を固める
ロスさんをコントロールすることに長けているBさんは、ロスさんが自分の元から離れていくなんて想像もしていません。
だけど、暴力が介在している関係では未来永劫対等なパートナーシップは望めません。
Bさんとの関係を諦めたくないのであれば、Bさんの暴力は改善してもらう必要があります。
これにはロスさんの「覚悟」が必要です。
「改善が見込めなければこの人のもとを離れる」
くらいの本気がないと、またうまい具合にBさんのペースに飲まれてしまいます。
「自分が変わらないと、本当にロスさんを失うかもしれない」
とBさん自らが深刻に捉えるか、実際に警察につかまるなどの何か大きなきっかけが必要になります。
「突きつけ」は慎重に
意を決してロスさんが
「あなたが変わらなければ別れる」
と告げたとして。
これまでの行いを認め反省して改善を約束してくれるのが一番望ましい流れですが、そうでない場合もあります。
「これからも自分は変わらない」
と言う場合もあるでしょう。
気をつけなければならないのは、さらにひどい暴力につながるかもしれないということ。
ロスさんをますます閉じ込め、自分の世界から逃さないよう働きかけをするケースもあります。
アメリカでのケース
アメリカには3000ほどの加害者更生プログラム施設があるそうです。
あまり大っぴらには言われませんが、DVは他の犯罪に比べると大したことないという認識があるようです。
家庭内暴力が露見すると、裁判所は刑務所か更生プログラムかを提案します。
選べるならとプログラムに参加する加害者が多いのですが、実際本当に暴力が改善されることはほぼないのだとか。
結果は誰にもわからない
心から変わろうと決意してくれたのか、パフォーマンスか。
時間をかけてみないとBさんの本意はわかりません。
何が一番もどかしいって、
「未来がわからないこと。」
これに尽きるのではないでしょうか。
人生には予測できない未来がたくさんあります。
だから保険商品なんかがあるんだと思いますが。
□付き合っているのに結婚できるかわからない関係性。
□次で授かるかもしれないから不妊治療をやめられない。
□いつまで生きるかわからないからお金が心配。・・・
Bさんも、いつか変わるかもしれないけどそのいつかがわからないから、いつまで頑張ったらいいかが見えないため心が晴れません。
期限を決めたとしても、その期限が来たら
「もう少しだけ、伸ばそうか」
と思うかもしれません。
少し変わったと期待したのも束の間、ひょんなきっかけで元に戻って絶望ということも。
Bさんが
「自分も被害者だ」
と言っているようであれば、全く変化していません。
何を隠そう私がそうだったのですが。
夫と話し合いをし、夫も変わると約束した上で1年が過ぎた頃。
ふとしたきっかけで、爆発しました。
「テメーも加害者だろぉ!」
と。
あぁ、、、
これが本音か。
憤怒の形相でこちらを睨みつけてくる夫の顔を見ながら、心の中がスッと冷えていくのを感じました。
暴力さえなければ、完璧なパートナー。
暴力があるのは、最低のパートナー。
恋愛も結婚も自由なこの国で、選ぶのはあなた自身です。
どんな選択も尊重されるべきだと思っています。
あなたの選択を、陰ながら応援しています。
未来には想像しているよりずっと、楽しいことが待っているかもしれません^^
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