【妄想ライオンズ73】導火線は児玉
山川が離脱し、そもそも繋がらなかった打線、得点力の懸念されるライオンズにとって、初回の2点は重く重くのしかかった。
案の定、初回は1死2、3塁をふいにした。2回は2死1、2塁で好調の愛斗が倒れる。3回もランナーを出しながらも繋がらない。
打線が繋がらない。つながれば爆発する力は持っている。しかし、着火すれども、その火は燃料に到達しない。
そんなボヤ続きのモヤモヤなライオンズ爆弾の、導火線となったのは、ドラフト6位、最も歳のいった24歳のルーキーだった。
2死2塁。将平が完璧な盗塁を決めて進んだチャンス。3−1からの高めに浮いたカットボールを見逃さなかった。強振した打球は全身守備の左中間を真っ二つに割っていく。
点けた火が、導火線を伝っていく。
1点が取れなかった鬱憤が、この一打で、歓声となり導火線にさらに火を与える。そして、一気にライオンズの火薬庫に着火する!
まずはクリーンナップに火が付き、逆転すると、平良にも火がつき、ピッチングがギアチェンジする。そうして、6、7回に打線が爆発をする。
先発全員安打の16安打で8得点。打てなかったこの5試合がまるで嘘のように、主砲の不在を全く感じさせない圧勝劇を繰り広げた。
不発だったライオンズ打線に火をつけた、その導火線となったのは、源田の代役のルーキー。
守備の人と思われながら、この2試合続けて猛打賞。明るいキャラ、はっきりとした意思表示。チームに勢いを与えるラッキーボーイ。
そう、チームが勢いづくには、ラッキボーイが必要だ。彼こそ、走魂ライオンズのスタートダッシュを決めるラッキーボーイとなる。