【妄想ライオンズ 120】連敗ストップ!「そこに青春があるから」
8連敗。借金22。交流戦最下位、リーグ戦は言うまでもなくダントツの最下位。打てない上に、守れないし、リリーフ陣は崩壊中。
そんな不甲斐ない状態、監督を変えなければならない状態を、一身にその責を追っている、そう感じさせる、源田のヘッドスライディング。
マダックスを達成して、連敗を止めた隅田はいった。
プロの選手たちだ。結果が全ての世界だ。安易に涙なんかの姿を見せるな。結果を出せ、結果を。
確かにその通りだけれど、僕たちが野球を愛し、ライオンズを愛する理由は、それだけじゃない。
やっぱり、野球のグラウンドには、プロだろうと大学だろうと高校だろうと、どこでも、そこには青春がある。僕らは、野球に青春を求めている。もちろん勝ちたい、勝って欲しい、優勝してほしい。
でも、だから、弱いチームは嫌いになるかと言えばそうではない。
なぜならば、たとえ今は弱くとも、自分たちを信じ、ど真剣に、必死に、真っ直ぐにボールを追い、1つ前の塁を目指し、目の前の強打者に対峙する、そんな選手たちに、僕たちは、青春を感じている。
今、青春の人は自分に重ね合わせ、ありしの自分の青春時代の匂いを、空気を感じる人がいて、そして、自分ではかげなかったグラウンドの匂いに、青春を感じときめく人がいて。
僕は、源田のプレーに、思いを受けた5回の攻撃に、隅田の力投に、胸を打たれた。ずっと前、もしかしたら、僕も、あの夏にこんな思いをしたのかもしれない。彼らのプレーに、僕は、僕の心に、青春があることを感じる。
たかだか8連敗を止めた、最下位独走中のチームの1勝だ。だけど、この1勝は、みんなの心を震わせてやまない、青春の1ページ。
どんな野球にも、そこに青春がある限り、絶対に見続けたい。いつまでも追い続けたい。改めてそう感じた試合だった。