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★ラガー箚記(43)★プレーオフトーナメント総括
ベスト4の4つの試合。どれもこれも見事な試合でした!このレベルの高さ、展開の面白さ、手に汗握る最後の10分。ラグビーを見よう!と思ってくれる試合ばかりでした!
準決勝 埼玉 20−17 横浜
沢木監督のいう、奇襲なんて嘘ですね。横浜は、よくよく埼玉を分析し、彼らの強みであるディフェンスからの切り返しによるスコアを、絶対にさせない、そこをさせなければ、セット、接点ともそこまで差はないだろうと言う思いで、正攻法でがっつりぶつかってきた。普通に勝とうとしてきたと思う。
埼玉はプレーオフらしく、固い試合運びを選択し横浜はそこを見越して、無理にせめず、ポゼッションアタックについては、あるところまでで後ろにボールを運ぶことを選択していた。横浜は自分たちのアタックの良さを捨て、埼玉の良さを消してきた。こう言う選択をし遂行できる横浜は素晴らしいチーム。
試合を決したのは、僕は前半30分過ぎの、埼玉の、ゴール前でのスクラムだと思う。基本的にはスクラムは劣勢に見えましたが、あそこ、あの場面は、意図的にペナルティを取りに仕掛けてきた。そして3点を奪い取った。この3点が、勝負を分けたように思う。
埼玉は、リーグ戦独走が故のプレッシャーがあるように思う。普段と、明らかに違う、試合を支配して、攻めてしっかり自分たちが主導的にトライを取っていく、そう言う展開はほとんどなかった。横浜の狙い通りの中でも、勝ちきれたのは底力ではあります。
ただ、最後の決勝は、勝つために、、と言うのはわかるのですが、できれば、今年の埼玉、自分たちで主導的に攻めて支配的に勝つ、と言う試合を見せてほしいな、とは思うのですが。。相手が東芝ならば、そう言う試合展開になるんじゃないかな、、と。
準決勝 東芝 28−20 サントリー
東芝は、前半は明らかにサントリーのディフェンスに手を焼いていた。しかし、だからと言って、攻めることをやめなかった。いつかこじ開けられるという自信があるんだろうと思う。チームに。そして、その自信通り、前半30分以降は、サントリーを蹂躙した。
サントリーは、前半30分までに、後1、2本のトライが欲しかった。そこを取れなかったということが、結果的には、東芝の強さ、今年のサントリーのアタック力の物足りなさの象徴なんだろうと思う。
後半は東芝が圧勝。どこからでも攻めて来る、そして、トライをとり切る走力と強さ。後半は、サントリーのディフェンスをぶち破った。真野、佐々木、桑山、ナイカブラなどなど。強かった。そして、なんといっても、東芝はサントリーに対して、崩されたトライがなかった。
サントリーは、結局、モールとラインアウトからのこぼれ球を拾ってのトライだけ。最後まで、東芝を崩してトライができなかった。前半の30分、後半の半ば。小さくブレイクできても、その後が続かなかった。
東芝は、埼玉にも、ガンガン攻めるのだろうと思う。決勝仕様の試合、とかはしないのではないか。そうなると、埼玉の強みも引き出され、よく噛み合った、激しい試合になりそうに思います。東芝が勝つとしたら、攻めダルマになって、埼玉を激しい炎で包み込んでしまう、国立の観衆をを味方につける、そんな展開では。
今季は、東芝がサントリーより地力が上だった。
3位決定戦 サントリー 40ー33 横浜
横浜がプラン通りのアタックを見せ、しっかりサントリーを攻略した。しかし、点差が開いてからのサントリーの集中力、開き直りのアタック力の前に屈した感じ。後半の途中からは、横浜は全くアタックが昨日しなくなった。
サントリーのフィットネス、メンタルは素晴らしかったと思う。こういうフィットネスがあるならば、キックでなくて、もっとポゼッションを多用したラグビーをしてもいいんじゃないかな、、などと思うのですが。
最後は劇的・・・替えたばかりの、一番フレッシュで、一番速い人に、最後にボールが転がってきた。最後、フィットネスではサントリーが上回った感じ。素晴らしい試合でした。後半20分以降は、横浜は攻め手がなかったところに対して、サントリーは、湧き上がる体力があった。
展開は最高の試合。ラグビーが面白いと思える試合でした。
決勝 東芝 24−20 埼玉
埼玉は、勝つべき試合だった。73分に逆転されても、彼らはトライを取る自信とプラン、手段を持っていて、それを確実に遂行した。ただただ、運悪く、まさに運悪く、T MOの網にかかってしまった。まさに運が悪かった。ただ、それは、そこまでにもう1トライ取れなかったところに目を向けるべき話。
今年の埼玉は、このチームの1つの完成形だと感じます。これで優勝できなかったのは、もう、振り返りようもないと思います。来季以降、新しくどんなチームを作っていくのか、メンバーも変わりそうですから、来季は少し過渡期を迎えるのでは。
東芝は、モウンガの存在でチームが変わった。SHやSOの本当のワールドクラスは、チームを変える。神戸に来たダン・カーター、そしてこのモウンガ、横浜のデ・クラーク、1シーズンだけどドコモに来たペレナラ。やはり、このポジションは大きい。
後半30分で、埼玉に逆転されたあと、東芝はパニックにならなかった。きちんと自分たちの強みを活かし、力強く接点周りを攻め続けた。焦りや戸惑いを微塵も感じさせなかった。しばらく優勝していないチームの所業ではない。ここは、モウンガの存在が大きいと思う。
最後の長田のトライは、埼玉の方が、底力があるんだということを見せつけたトライ。東芝は、素晴らしいタックルをし続けながら、最後は走りきれなかった。勝負は埼玉の手からするりとこぼれ落ちたけれど、力は埼玉が上だと感じた。しかし、勝負はまさに鬼の所業。
前半から接点に圧力をかけ続け、得点を与えなかった、後半20分過ぎまでノートライで押さえ込んできた東芝の、ディフェンスの執念が、最後の最後に、勝負の女神をこちらに向かせた、という感じ。
あと、今日はナイカブラ。。チームとしての力は埼玉が上だったかもしれないけれど、彼が、東芝を救った。あまりにも劇的な仕事が多かった。埼玉は、ナイカブラさえいなければ、勝っていたはず。でも、埼玉には、この試合で神がかった活躍、までの人がいなかった。
これからしばらくリーグワンの試合がないと思うと、正直寂しいです。。代表、大学の試合、で繋ぎますかね。。。
あとは、このあと、少し時間かけて、しっかりリーグワンの3年前を振り返りしたいと思っています!