ツーリングの醍醐味はトラブル?笑い話に変わる旅のスパイス
今でも単車には乗っているのですが、この話は随分と昔の話です。
若い頃、ツーリングで日本各地を巡っていた際、多くの思い出が残っていますが、特に心に残っているのはトラブルがあったときの出来事です。道中で大きな問題がなく順調に進んだ旅はあまり記憶に残っていない一方で、何かしらのトラブルが発生した旅の方が、後になって楽しい思い出として鮮明に浮かんできます。
ある日、夕暮れ時に少し遅くなってしまい、ちょうど良さそうな平地を見つけてテントを張ることにしました。晩御飯を食べ、疲れもあってすぐに就寝しました。その夜は静かで、ツーリングの旅路の途中で味わうリラックスした時間を過ごしていました。しかし、翌朝目が覚めた瞬間、目の前に広がっていたのはまったく予期していなかった光景でした。そこは工事現場の片隅で、なんと大きなダンプカーが走っていたのです。まだ半分寝ぼけた状態でテントから出た私は、一瞬何が起こっているのか理解できず、ただ驚くばかりでした。昨晩の静けさと広々とした場所は、朝には忙しない工事現場に変わっていたのです。
そのときは急いでテントを片付け、次の目的地へと向かいましたが、この出来事は今でも鮮明に覚えています。当時は困惑しましたが、振り返ってみると、むしろこういったトラブルこそがツーリングの醍醐味なのかもしれません。大きな支障をきたさない範囲でのトラブルが、旅を一層特別なものにしてくれると感じます。ツーリングの旅路で起こる予期せぬ出来事や小さなハプニングは、その瞬間には戸惑うことも多いですが、時間が経つとそれが旅のスパイスとなり、かけがえのない楽しい思い出として心に残るものです。まさにツーリングの醍醐味は「大きな支障のないトラブル」と同義だと今でも思っています。
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