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もしもシリーズ もしもでんきだいがあがっていたら

『あら   やだ   でんきだいが』
そういってママはけいたいをてにした

しばらくしてでんきやさんがやってきた
『ろうでんではありませんね』
そういってかえっていった

『おかしいわね  クーラーだってまだつかってないのに』

そのよ  ぼくは  なんだかねつけなかった
ふとんをあたまからかぶってめをつむっても
ひつじをかぞえても

ふとんからあたまをだしてしばらくてんじょうをながめてた
『のど かわいたな』
ぼくはベッドからでて
いっかいのだいどころにむかった

れいぞうこをあけてミルクのはこにストローをさした
のみながらかいたんをあがろつとしたけど
れいぞうこのあたりにひかりがみえる

『あれ  れいぞうこ しめわすれたのかな』
ぼくはもいちどれいぞうこのほうにむかった
ちかづけば  ちかづくほど  あかりがおおきくなってくる
でもれいぞうこはしまってる

あかりのさきにめをやった
れいぞうこのおくのあかりのなかに
ちいさなうちゅうせんがあった
『ぼくのおもちゃにあったっけ?』
『ちがう  ちがう  おもちゃがどうとかじゃなくて あの あかりはなに?』
うちゅうせんのちかくでなにかがうごいた
ぼくはふしぎとこわくなかった

ぼくはしずかにこえをかけた
『なにしてるの?』

『どうにも  こうにも  なかなか でんきがたまらないんだ』
そういってぼくのほうにふりむいたちいさなおとこのこも
ぼくをこわがるそぶりもみせず ぼくのほうにちかずいてきた

『はじめまして  ぼくは金星からきたキンベマーン   うちゅうのへいわをまもるうちゅうぼうえいたい  』
キンベマーンはどうしてぼくのいえにいるのかはなしてくれた
キンベマーンのひいおじいちゃんがちきゅうにふじちゃくしたときにたすけてくれたのがぼくのひいおじいちゃんなんだって

ちきゅうにふじちゃくしたほかのうちゅうじんは
かいぼうされたり  ホルマリンづけにされたりと
たいへんなめにあっらしいんだ

だから ちきゅうにはちかずかないようにいわれてるんだけど   それでも  ふじちゃくするようなことがあったら
ぼくのいえにふじちゃくするようにコンピューターに インプットしてあったんだって

『あと どれくらい  でんきがひつようなの?』
『あと  ひとめもりたまれば かえれるよ』
『あといちにちひつようだけどね』

あさ  ぼくは れいぞうこのすきまをのぞいたけど
うちゅうせんもキンベマーンのすがたもなかった
『あれ ?でんき たまってかえったのかな』

ママがふしぎそうにどうかしたってきいてきたけど ぼくはなんでもないってこたえた

がっこうからかえってすぐにれいぞうこのよこをのぞいたけど やっぱり うちゅうせんもキンベマーンのすがたもなかった
『やっぱり  かえったんだ』
ぼくはなんだかさみしかった
『さよならいいたかったな』

そのとき
ねこのミーがぼくのまえをよこぎった
なにかをくわえてる
キンベマーンをくわえてる

キンベマーンはみぎにひだりにゆれながら
なんだかたのしそうにしてる

ねこのミーはじぶんのねどこにキンベマーンをおくとどこかへいってしまった

そのすきにぼくはうちゅうせんとキンベマーンをぼくのへやにはこんだ
『だいじょぶ?』
『だいじょぶ  ぶらんこにのってるみたいでたのしかったよ』
キンベマーンはでんきがまんたんになったこと
こんや  金星にかえることをはなしてくれた

ぼくたちはパパやママやミーちゃんがねしずまるのをまった
ぼくはそっとへやのまどをあけた
あたりはまっくらでよぞらのほじだけがキラキラかがやいてる
キンベマーンはいちばんひかってるほしをゆびさして
『あのほしのむこうだよ
            ぼく  ほんとうは  こわかったんだ
                      しんせつにしてくれてありがとう』

『ぼくたち  ともだちになれる?』
ぼくはおおきくうなずいた

うちゅうせんがとびたった
さよならができてよかった
ぼくのさみしいきもちもとんでった

『あら  こんげつは いつもどおりのでんきだいたわ』
ママはでんきだいのかみをみながら
ふしぎそうにいった

『ねー  ママはうちゅうじんているとおもう?』『どうかしらね   でもテレビでやってるようなうちゅうじんにあったら ママ きぜつしちゃうわ
ぜったい いても あいたくないわ』

『どうしたの きゅうに ?』
『ううん  なんでもないよ』
うちゅうじんはちいさいだけ
ぼくらとおんなじなんだけどね

ぼくだけがしってるでんきだいのなぞ
 でんきだいがあがったら
こんどはキンベマーンのこどもがふじちゃく
してるかもね

おしまい

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