ellie

イラスト・旅・写真・エッセイ等。 face book

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最近の記事

『夢を探して』 [8] 妖精の城

城は、ほとんど権力の象徴だという。 中には、ルードヴィッヒのように、夢物語を現実にしたくて、夢現実だけのために創られたものもある。それらは、他の城と比べて何か違う美しさを感じる。冷たい感じの権力だけを見せつけるための城ではなく、誰もがひとつは心に持ちたいと願ってやまない夢の城である。若き王は、狂気だと言われたが、本当のことは、城を写す湖と森の自然だけが知っている。 何だか、解るような気がする。夢を見て、惹かれるように再びそこへ行かずにはいられなかった、その思いは何処から湧いて

    • 『夢を探して』 [7] 夢の城

      そこは、たぶんドイツだと思う。 深い崖の下に湖があった。バスに乗って、その湖を見ている。すると不思議なほど美しい城があった。 臼紫色の岩の上に建つその城は、誰も行くことが出来ないという。城を取り巻く薄紫のコケが岩肌を覆っていて、誰も寄せ付けない。 まだ、どの本でも見たことがない。 あざやかな屋根を持った白い城は、この世のものとは思えないほど、美しかった。 その城は、どこにあるのだろうか。 続きは、見られるだろうか。 そこへ行けるだろうか。 探しに行こう。あの城を……手がかりは

      • 『夢を探して』 [6] 夢の場所 

        いつしか、夢で見た場所へ必ず行ける。 夢の場所は、そこへ行けた時、ガイドブックの写真では解らなかった事まで、夢と同じだったりする。嘘だとか、作り事だと思われるかも知れない。 どこかで見た場所だから知っていたに過ぎないと、信じない人は言うだろう。 「信じるものは救われる」 信じれば、信じるものになれたりする。 信じることは、魔法と同じだ。 夢の中で、青い鳥やきれいな紫色がかった青い空を見て感動している。そのまま目だ覚めるなんて、素敵なことに思えるが、現実にかえるとかなりのギャッ

        • 『夢を探して』 [3] 夢の色

          夢を視ますか? 夢には、色がついていますか? そう聞かれて、即答出来る人は少ない。 考え込む人の方が多い。 簡単な質問なのにと不思議に思う。 夢に色がないと答える人が多い。夢を見たかどうかなんて、考えたこともないし、すぐに忘れてしまう。思い出せない夢を沢山持っている人たちは、考え込むだけだ。 こだわってはいけないのだろうか。 素敵な夢に感動する事がないなんて、美しさを最も現すのは、やはり色の景色だ。感動的な夢に色がないなんて信じられない。 ある人は、TVの影響が大きいという。

          『夢を探して』 [2] 香りのない花

          妖精の橋の入口には、紫陽花が咲き乱れているんだと思えてきた。どうして、妖精と紫陽花が結びつくのかと、追求されても答えられない。 どんな風に作ったのかわからない。 頭の中の方程式を解くと、そんな答えが出てきた。 虹は七色=紫陽花の七色 花には、それぞれ香りがあり、独特な香りを持って、蜜蜂たちを誘惑するが、紫陽花には、香りがない。それなら、蜜蜂たちはどんな風に、紫陽花を見つけられるだろうか。 私の旅も、香りのない花を見つけて、蜜に出会う蜜蜂と同じなのかも知れない。

          『夢を探して』 [2] 香りのない花

          『夢を探して』 [1] 夢を探しに

          10年前、忘れられない風景を見た。 霧雨の早朝、峠の山道を下りながら、持っていたバッグを落とした。落ちたバッグを拾おうとして、ふと、何気なく振り返った時、 直ぐ近くの畑の中に、ぽつんと建った小さな小屋の屋根の上から、向こうの山まで続くように架けられた「虹の橋」が見えた。 「何て美しい風景だったろう。」今でも、はっきりと心の中に残っている。まるで、「妖精の国へ続く橋」のように思えた。 あの橋を渡って、あの山の向こうの国まで行けたら、どんなに素敵だろう。 私の中に、ひとつの物語が

          『夢を探して』 [1] 夢を探しに

          『Angelo che canta 』[11] ヴェッキオ橋

          ヴェッキオ橋のたもとに、 たくさんの貴金属の店が、立ち並ぶ。 ほとんど金製品ばかり。 銀製品の店は、少ししかない。 ハートの形をした小さな、指輪を買った。

          『Angelo che canta 』[11] ヴェッキオ橋

          『Angelo che canta 』[10]ダ・ヴィンチの住んだ街

          ダ・ヴィンチの住んでいた街だ。 ウフィッツィ美術館で、 ダ・ヴィンチの絵に出会った。 魅かれるように、1枚の絵の前に。 大好きな、「受胎告知」 百合を持った天使の指が気になる。

          『Angelo che canta 』[10]ダ・ヴィンチの住んだ街

          『Angelo che canta 』[9]いざ、フィレンツェへ

          ベネチア「サンタ・ルチア駅」から、列車に乗る。 線路が、イタリア本土へと続く。 コンパートメントで、朝食のお弁当を食べながら、 いろんな話をしながら、 列車はフィレンツェに向かう。

          『Angelo che canta 』[9]いざ、フィレンツェへ

          『Angelo che canta 』[8] 鉄道駅へ

          ホテル前の広場から、船着き場に。 船に乗り、鉄道駅サンタルチアへ。 列車のコンパートメントに、荷物が入りきらない。 列車の中で、サンドイッチを食べる。 ジュースの栓抜きが、何処にもない。 隣のコンパートメントの人が、アーミーナイフを持っていた。

          『Angelo che canta 』[8] 鉄道駅へ

          『Angelo che canta 』[7] 水上タクシー

          交通機関は「Vaporet」バポレット。 水上バスで、広場や駅、島に行く路線がある。 各駅停車、急行便があり、ヴェネチア全体をほぼ循環している。 「Taxi Acquei」水上タクシーは、水上を走るモーター・ボート。 駅、市内要所に停泊し、急ぎや荷物が多いときは便利。

          『Angelo che canta 』[7] 水上タクシー

          『Angelo che canta 』[6] 金色の看板

          幾つもの橋が結ぶ広場。 フォークとナイフとスプーンを型どった、金色の看板。 レストランのメインは何だろう? パスタって、スープなの? 幾つもの橋を見ながら、頂く食事は、美味しいだろうな。

          『Angelo che canta 』[6] 金色の看板

          『Angelo che canta 』[5] 溜息の橋

          橋の上を見上げると、建物を繋ぐ橋が。 ドゥカーレ宮と牢獄を結ぶ橋。 橋を渡ると帰っては来られない。 罪人たちは、溜め息をついて、 一方通行の橋を渡ったのか。

          『Angelo che canta 』[5] 溜息の橋

          『Angelo che canta 』[4] 何でもありの店

          街を散策に出る。 広場には、露店が出ている。 扇、仮面、ピンバッチ、アクセサリー。 小さいのに、何でもありの店。

          『Angelo che canta 』[4] 何でもありの店

          『Angelo che canta 』[3] ホテルの庭

          赤っぽいホテルの壁、 並ぶテーブルと椅子。 植木を置いた台のレリーズが花とリンクする。 どのホテルの前もテントが張られ、 カフェが楽しめるよう、テーブルと椅子が用意されている。 建物の中と外では、料金が違うようだ。

          『Angelo che canta 』[3] ホテルの庭

          『Angelo che canta 』[2] 夢で見た運河の街

          スキアボーニ埠頭が、見えてきた。 もうすぐ上陸。 ホテルの前の船着き場に、船が着く。 川のように、運河が続く。 中学の頃、母がもらって来た海外のお土産は、 ベネツィアのチョコレートだった。 個包装の写真と、同じ場所に来たことが、不思議だ。 旅は、ここから始まる。 *1991.09.02 ベネツィア

          『Angelo che canta 』[2] 夢で見た運河の街