ミネラルの過不足での病気


こんにちは、
ミナです。


カルシウムは動物の体内において、
血液の凝固や、筋肉の収縮、神経の興奮の伝達など、
生命維持に欠かす事の出来ない
重要な役割を担っています。

食事によって摂取されたカルシウムは
小腸で吸収され骨に運ばれます。

余分なカルシウムはそのまま便として排泄されたり、
腎臓を通って尿中へ排泄されます。

排泄されないほどの過剰なカルシウムは、
主に骨格異常の症状として現れます。

カルシウム過剰症は、
特に発育期の犬で問題になることが多く報告されています。

カルシウムの過剰な摂取は、
標準的な量のカルシウムを含むペットフードであっても、
それを良かれと思って過剰に与えてしまった時や、
サプリメントとして与えた時に起こります。

成長期の仔犬は、
成犬に比べて2,3倍のカロリーを必要とします。

この必要なカロリーを得るために
多く食事を摂取することで、
カルシウムも過剰に摂取することになってしまいます。

特に短期間で急速な成長を遂げる大型犬種の仔犬では、
小型の犬種よりもさらに多くのカロリーを必要とし、
骨格の成長も急激であり、その影響が強く現れます。

このため、若齢犬用のドッグフードは
カロリー当たりのカルシウムの量が
低くなるように調整されています。

血液中のカルシウムの濃度が一定以上になると、
成長期の仔犬の骨と軟骨の正常な発育を妨げ、
股関節、肘関節などの骨格の異常を引き起こします。

持続的な高カルシウム血症は
腎臓を障害するため早期の治療が必要です。

治療には、原因となっている病気を
早期に除去することが必要となります。


マグネシウムもカルシウムとともに
骨の発育にかかわっています。

動物の体内でのマグネシウムの働きは
色々と知られていますが、
特に酵素の活性化に重要な役割を果たしています。 

食事により摂取されたマグネシウムは小腸から吸収され、
過剰なマグネシウムは尿中及び便の中に排泄されます。

他のミネラルと同様に、
ペットフードを主食としている犬や猫では、
マグネシウム過剰症や、欠乏症は殆ど例がないそうです。

マグネシウムはストルバイト尿石の成分になります。
以前はマグネシウムを多く含む食事を与えると
猫のストルバイト尿石と尿路閉塞が
起こりやすくなるといわれていました。

しかし現在では、ストルバイト尿石は
尿の㏗が酸性であれば
溶解されることが明らかになっています。

このことから、ストルバイト尿石症の発症は、
食餌中のマグネシウム含量に加えて
尿の㏗が深く関わっていることがわかります。

血液中のマグネシウム濃度が犬で2.1㎎/㎗以上、
猫では2.3㎎/㎗以上に上昇した状態を
高マグネシウム血症と言います。

動物の体内のマグネシウム量の調節は、
主に腎臓によって行われています。

腎機能が低下するとマグネシウムの排泄機能が低下し、
高マグネシウム血症を起こすことがあります。

高マグネシウム血症は低カルシウム血症と同じように、
肌肉や骨格、神経、心臓、血管に関連した症状を示します。

高マグネシウム血症と低カルシウム血症は
同時にみられることもあります。

なお、腎不全に関連した公マグネシウム血症では、
殆どの症状は高マグネシウム血症によるものではなく、
高窒素血症が原因となっています。

腎不全の他にも、アジソン病、
甲状腺機能低下症などでも
高マグネシウム血症が起こることがあります。

高マグネシウム血症のほとんどは、
原因となる疾患(腎不全など)に伴って起こるため、
その元になる病気の治療が必要となります。

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