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220円のブルーシートの上で
高校時代の友だちと久しぶりに遊んだ。
220円のブルーシートの上で。
ノープラン
私は友だちと遊ぶとき、あらかじめ遊ぶ内容を決めておくことが多い。何をするのかが分かっていた方が心の準備もできるし、一日のペース配分も考えられるからいつもそうする。
でも今回は、具体的に何をするのか決めないまま当日を迎えた。これは、「当日のノリでなんとなくいけそうだな」とお互いが思っていた結果であろう。ある種の信頼の証かもしれないなんて思うと…それはそれでちょっと嬉しかったりする。
220円のブルーシート
当日、昼頃に駅で落ち合ってから、まずはご飯を食べた。お互いの近況報告を終え、お腹も満たされたところで、次の行動を決める。
近くに大きな公園があるらしい。食後で眠くなってきたし、昼寝でもするか。
食べたら寝るという欲望に忠実な私と友だちは、ダイソーで220円のブルーシートを割り勘で買った。青い寝床一枚を片手に、公園に向かう。
人と過ごすということ
公園に着くころ、空には透き通るオレンジ色と淡い水色とが溶け合っていた。ずっと見ていたい色だと思った。
芝生にブルーシートを広げてみると、思いの外デカい。袋をよく見たら3畳分と書かれていて、人数とミスマッチなその大きさに笑い転げた。
それから話した内容は正直あんまり覚えていない。でも、2人でブルーシートに寝転びながらたわいもない話をして、ふざけあって、とにかくいっぱい笑った。めちゃくちゃ幸せだなぁと思った。ずっとこうしていたいなぁと思った。
ちょっと風が冷たくて手足が冷えたけど、沈んでいた心は軽くなっていった。
歳を重ねるにつれて、色んな遊び方が出来るようになってきたと感じる。
でも、どこで遊ぶかとか、何をして遊ぶかの前に、「人と過ごす」ことの根幹は「あなたがいて、私がいる」というシンプルなものなんだと気づいた。
220円のブルーシートも、なかなか悪くない。