中国西北メンタンピン
突然ですが、中国西北と言われてどのあたりか直ぐにピンとくる方は普段から你好やら謝謝やらを使いこなせている方のはずで、大方の雀士は「字牌が3つもあるな」とオタ風を再確認するだけです。
西北地方とは、「甘粛省」「青海省」「寧夏回族自治区」「新彊ウイグル自治区」「陝西省」などのようで、私には読み方すら分からないのですがいずれも内陸の省らしく、日本からは観光でもなかなか行かない場所のよう。
内陸ということで、
料理の特徴は羊の肉に代表され
それと、穀物が豊富ということ。
ところで急だが私は羊肉に目がない。
先日20代から一方的に別れを告げられてしまい、残ったのはぽっこりおなかと肉付きの良い身体。
これではいけないと漢方を始め、筋トレや食事を見直すなどしていたが、よく助けられたのが羊肉。羊肉は鶏肉よりも低カロリー。かつL-カルニチンとやらが含まれている為、よくわからないけど食べると脂肪燃焼も期待できる。そのくせ美味い。最高じゃん。日本国食に指定しよう。
そんな私が月に2度は訪れている羊肉が最高デリシャスに食べられる中国西北料理屋さんの話を書かせて頂きます。
皆様の周りにも、「あれ?ここの店また店名変わってるじゃん居抜きでそのまま飲食ループ何回めよ」みたいな店があるかと思う。
それと同様に、私のテリトリーにもあんまり美味しくなかったラーメン屋がある日突然
「中国西北料理 蘭州 牛肉麺」の看板になっていた。
その日は中華な気分だったのであまり期待はせずにその店に入ることにした。
店に入るとタイトめなジーンズにエプロンを付けた白いニューヨークヤンキースの帽子を被っている30代後半くらいの女性がおそらく中国西北語でいらっしゃい、まあ座れよ的なニュアンスの言葉を私に発してきた。
面食らう。あ..あっ、みたいなリアクションを浮かべる私を見て、何かを察した表情をする白ヤンクスは私を座らせたい席を指差して微笑んだ。
店内は8割くらい埋まっており盛況。
ただし聞こえてくる音に日本語は皆無。
ファミリーもカップルもChinese languageしか話していない。そして皆どこか大陸直系の顔立ちをしている。(ルッキズムでは無い)
隣に座っている女性のスマホがたまたま視界に入ってしまいLINEのトーク画面が見えてしまったのだが、晩上好やら我愛你やら我愛你一生一世とか書いてある。
ズッ友、一期一会®︎がフラッシュバックする。
興奮してきた。
これ本格的な店?期待しちゃっていい?
運ばれてきたメニューを見ると表紙にはデカデカと蘭州麺という向こうのラーメンをメインにしており麺の太さが9種類ほど選択できるようになっていた。すごい。
きょうはラーメン単品よりも定食ライスな気分だった私はメニューの「羊肉のクミン炒め」に目を落とす。
羊と穀物の炒めもの。まさに中国西北を代表する料理と言って良い。
基本的にメニューは中国語表記で一部に日本語の補足がある程度。特にドリンクのページにはほとんど解説がない。そこで気になるものを見つける。
王 老 吉
とだけ書かれている
赤い缶の飲み物が写真付きで200円。
一旦メニューから視線を上げると、ボックス席に座るファミリーの幼女が缶にストローを差してそれを飲んでいるのが目に入った。
何??漢字の構成からしてウーロン茶??
幼女なのにウーロン茶飲むかな??とか色々考えたが、あえてGoogle検索せず、事前情報一才無しで王老吉を注文してみた。もう気分は孤独のグルメ中国西北旅行編である。
5〜7分程待っていると
料理は運ばれてきた。
しっかりと炒められたであろう、加熱したクミンの香りと羊肉の香ばしさが鼻腔をくすぐる。
玉ねぎとピーマン羊肉とクミン。シンプルな構成だがこういうのが一番メシが食えるって話。もう少しクミン増やしてくれても嬉しいけどうまい。リピート確定な。
そしていよいよ王老吉のプルタブを開ける。
ストローを差し込み、いざ実飲。
甘い!!!!え??????!
甘...いや、さっぱりもして...してる!!!
午後の紅茶のストレートをもうすこしのど飴みたいにした...みたいな味だな!!!!、
私は店内で叫んだ。
王老吉
ワンラオジー と読むらしい。
原材料は水、白砂糖、仙草、菊花、金銀花、夏枯草、甘草。
中国ではメジャーな飲み物で、コーラよりも人気があると言われているんです!
中国のスーパーでは至る所に王老吉が置かれており、広告・宣伝に対する熱意が伝わってきます。
スーパーやコンビニはもちろん、飲食店にも必ずと言っていいほど置かれています。
と、まとめサイトに書いてある。
辛い料理との相性が良いらしく、
こういうのが置いてあるということは
そらお客さんも本国の方ばかりになるだろうなあ喜ぶわなあ。とそう思った。
大変満足して、会計。
白ヤンカス姉さんがレジを動かそうとすると
レジが全く起動しなくなっている。
アヤーみたいな声を発してスマホで電卓を叩き出した。こういった端々にもローカル感があって良い。後で大変だろうなと思いつつ謝謝。
いわゆるThe 中華とは少し違った雰囲気で楽しめる中国西北料理。
日本人がニューヨークで適当なSUSHIに行かず、小料理や割烹と看板に書かれていたらふと魅せられ立ち寄ってしまうように、現地人に刺さるものが中国西北というワードにはあるのかも知れない。
お住まいの近くや職場の近くに
その漢字四文字を見かけたら
是非立ち寄ってみても損は無いかも。
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