ファジメモ1(A徳島戦〜A町田戦)

これまで

ビルドアップの約束を推測

①相手が後ろでブロックを組む又はプレス隊が一人か二人

SBが高い位置、GKはCBの間低めの位置で三角形を形成してビルドアップ補佐。ボランチはセンターサークル付近で出口兼相手中盤のピン止め。

②相手が前からガツガツ来る又はプレス隊が三枚以上

SBは両サイドともにほぼ前に出ず、GKは後ろで待機。代わりにボランチ(主に白井)がボールを引き出す役。

約束事

・相手のプレス+1の枚数を後方に確保する
・ゾーン2への繋ぎよりも相手を動かすことを重視
・フィードの狙いは徳元、FW二人。


8月19日 A徳島戦

配置で守備を剥がして攻めたい徳島vs前プレで配置の不利を消しにかかる岡山の構図。

ってことで、ヤマ・齊藤さんの足元に長所のある二人を前線の起点にして崩していこう、という意図が見えた。

徳島は激しいプレスでボールを奪うのではなく、数的優位な空間に誘い込んで奪う傾向があった(?)為に、岡山はゾーン2でのボール保持が余裕を持ってできる環境だった(ように見えた)

結果、いつもよりもボールを持つエリアが前方に移り、やや押し込む時間を作ることが出来た。

しかし一方で、縦パスや落としのパスで味方とズレるシーンも散見された。これはこの試合に限ったことではないが、今年は押し込んだシーンでのパスがズレてショートカウンターを受ける、というのがやや多い気がする。このパスのズレを改善していけば、もう少し決定機を増やす&ピンチを減らすことに繋がるのではないか。


8月22日 H群馬戦

結果は1対0だが内容は完敗。

大雑把な総括

入りは良かった。やや間延びしている群馬相手に対して前からのプレスがハマり、野口や下口の惜しいクロスもあった。

しかし、飲水前後で群馬がコンパクトになるように修正し、プレスを剥がされるようになってからはやられ放題。特筆すべきは群馬のシュートや仕掛けの意識。積極的な攻撃によってCKを11本獲得し、決勝点につながった。(攻め筋も次第に消された)

下口良かった

今日の下口は攻守ともに積極的。さらに自分のキャラを押し出そうとする意識が見えた。

椋原や増谷に比べ、インサイドに入っていくシーンが多く見られた。野口と使いたいエリアが被っていたが、外に張るよりも自然にプレーできていたように見えた。右で張るタイプのSHはいないが、可能性を感じた。


ジョンウォン

失点シーンはジョンウォンのマークだったが、盲目的に叩くのは軽率だろう。

栃木戦で手をかけて一発退場を喰らったジョンウォンは、いつもよりゴールに近いエリアでの競り合いに気を使っていたように感じた。失点シーンも、手を使った競り合いで後手を踏んでしまったように見えた。(その結果後ろ向きに転んでいる)

ただ、それでも手の使い方が露骨すぎるシーンもチラホラ見受けられたので、岩政先生あたりに特訓してもらえたらな…と思った。

上田康太

ここ数試合、上田を後半から投入するシーンが多いが、セットプレーでの脅威はともかく、流れの中で良さを出せていないように見える。おそらく蓄積されたフィジカル的な疲労が響いているのだろう。苦しい台所事情とはいえ、上田を万全の状態に持っていきたいところ。

改善点?①:FWとパサー

前回言及したパスのずれに加えて、FW陣とパサーの意図がかみ合わないシーンが目立つ。スペースか足元か、しっかり意図が噛み合うと決定機増加につながりそう。

改善点?②:エリア内へ

ふと気づいたこと。最近エリア内への侵入少ない。今日もミムが仕掛けた時くらいじゃないだろうか。やっぱりゴールを増やすためにはエリア内でのシュートを増やすことは必須。勇気をもってエリア内へ仕掛けられたらいいなあ。


8月30日 A町田戦(0-2)

今日は相手ペナルティエリア内への侵入に関するデータをとってみた。

(手作業。エリア侵入を右・中・左で分類し回数を計測。また、侵入手段をグラウンダー・フライパス・ドリブルの三つに分類。)

エリア内への侵入回数という点では、だいたい同じくらいに。ただ、ポゼッションで圧倒する時間が長かったことを考えると、もう少し侵入回数に差を作れれば理想的な展開を作れた?

試合全体で見ると、岡山は主に右サイドからチャンスを多く作っていたことがわかる。前半はもっと顕著で、10本のエリア侵入に対して8本が右サイドだった。

この理由として考えられるのは、町田が前半左サイド(うちの右)を中心に攻めてきたことだ。それは、キーパーの秋元がロブパス・クリアを問わず、こちらのサイドに蹴りこんでいたことからもわかる。このサイドに頑丈な選手を集め、下口に対する身体的有利を利用して起点を作ろうとしたようだ。(先制点につながる仕掛けもこちらのサイド)

町田がこのサイドから攻めてくるため、自然と右にボールが集まったのだろう。

やはりクロスが多かった分、ロブパスの割合が多くなった。ただ、数値に現れない点として、クロサーと中が噛み合わないシーンが多かった。むしろ、割合が低いドリブルやグラウンダーのほうが怖さを与えていたように感じた。(前半28分の野口のシュートなど)

(データ総括)

・町田は下口を攻守の狙いどころにしていたようだ。そして悔しいがそれは見事に的中してしまった。

・こうなるとやはり必要なのはクロスの強化ではないか。崩しよりも確実にクロスのシーンは多くなる。

・片方のサイドに偏らないようにできれば相手のブロックを広げて中を崩すチャンスを作れるはず。均等とは言わずとも逆サイドを効果的に使いたい。


(所感たち)

・上田は一週間ごとの試合だとコンディションがよさそう。過密日程を恨む。

・前半33分の上田のテクニカルファールは良かった。軽いファールで相手のカウンターを止める能力は大事。

・町田はポープ放置。蹴るのは構わんから弾きゃいいだろ!って割り切ってた。

・相手の落ちる動きに釣られてボランチが引っ張り出され、バイタルエリアがスカスカになるシーンがチラホラ見られた。ライン設定を高くしないとキツイか。

・赤嶺もコンディションが上がってきているように見える。基準点となるプレーの安定感を感じた。

・増谷がいないのはやはりキツイ。徳元が落ち着かせ所になるので徳元の良さを最大限引き出せていない気がする(仕方ないことだが)

・野口はフルで見たい反面、(確か)ひざの古傷があるので無理させられない事情がありそう。

中盤に対する考察

①パスが前足につけれていないことが多い印象。その為に後ろを向いてしまったり、囲まれてロスしたり、というシーンが目立つ。ある程度繋ぐ意思を持っている以上、出せるときは前足につける、というシーンを増やすことができれば安定感も出るし、チャンスも増えるのでは。

②縦突破を増やしたい。逆足配置なのはわかった上で。野口や上門が中に入っていくのはすでに対策されていて、攻撃が詰まってしまう。逆足でも縦の選択肢を見せていくことが、より二人の能力を引き出すカギでは?

③中盤とFWの分断をうまくつなぎたい。実際この問題は去年から継続しているところでもある。去年はこの2ラインをつなぐ役割を仲間が一人で担っていた。仲間がいない今、顕在化したこの問題をどう解決するか。

仲間の役割を誰かが引き継ぐ、という解決策もあるが、残念ながら、仲間の穴を埋めている上門は推進力があるわけではなく、むしろフィニッシュで輝く選手である。となると、有馬監督はチームとしての解決策を構築しようとしているはず。それが何なのかはまだ見えてこないが、楽しみに待ちたい。

ただのつぶやき

今のファジはうまくスペースを使えていないというイメージがあったりする。繋ぐ為にはある程度のスペースを作る必要があるけれど、中盤より前は渋滞しててスペースが削られている。

となると、FWが縦に幅をとってスペースを作る(SHは幅取り役でないので)、という所が向上したらな…という思いがある。

何にせよ相手を動かすビルドアップ、というのが出来ていないのが沼。

相手を動かすビルドアップはこちらが主導権を握っていないといけない。相手のプレスを回避する、ということだけでは中盤にボールを入れても余裕が無くなる。去年の田中のように、或いは磐田戦のゴールのように。

(松本戦から別記事)

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