「沈黙」遠藤周作「人がこんなに哀しいのに主よ海があまりに碧いのです」(新潮文庫)
拝啓 遠藤周作様
あなたの事が余りに好きすぎて、そしてその気持ちを表すにはあなたに対して手紙を書くという形が1番良い気がしますので、こういう形をとらせて頂きます。
あなたがいつも目指したのは、心弱く哀しい存在である人達をあなたの文学で慰めるというものでした。
敬虔なカソリック教徒であるあなたはそれをイエスキリストからの愛という形で表現しました。
例えばあなたの代表作である「沈黙」。
長崎の隠れキリシタン達の命が幕府によって奪われる中、もし神というものが存在していな