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三十三番土偶札所巡り -尖石縄文考古館-  さすが国宝!美しき土偶たち

先月、期せずして手にした土偶版の御朱印帳、何度も見返しては幸せに浸っています。
前回は4つの土偶を愛で御朱印をいただきましたが、今月もまた山梨・長野県の土偶を廻る旅が続いています。

今回訪れたのは、長野県の八ヶ岳山麓の茅野市尖石縄文考古館ちのしとがりいしじょうもんこうこかん
昭和の初期から発掘調査がおこなわれていた尖石遺跡とがりいしいせき一帯の史跡公園にあります。

尖石縄文考古館とがりいしじょうもんこうこかんには、現在全国で国宝に指定されている「土偶」5体のうち2体があるという、土偶ファンの聖地とも言える場所です。
市内の遺跡から出土した、国宝の縄文のビーナス仮面の女神、そしておやゆび姫という小さな土偶は、三十三番土偶札所巡りの二十一番、二十二番、二十三番にあたります。

八ヶ岳山麓の豊かな自然に囲まれた尖石縄文考古館とがりいしじょうもんこうこかんは、太古の大切な遺物が在るに相応しい清楚な佇まいで、訪れる人を静かに迎えてくれます。

自然の景観に溶け込む考古館。
長いアプローチから縄文時代へタイムスリップ。
考古館は標高1,070mの、
清々しいという言葉がピッタリと当てはまる、
緑の台地に位置します。

考古館の裏手には、縄文時代中期の住居跡があった与助尾根遺跡よすけおねいせきが広がり、数件の竪穴住居が復元されています。

なだらかな広々した台地が広がっています。
当時もきっと素晴らしい景観が見られたことでしょう。


それでは考古館で、土偶を見ていきましょう。

日本で最初の国宝に指定された土偶
「縄文のビーナス」

縄文のビーナスは、茅野市内で1986年に行われた工業団地の造成工事で発掘された棚畑遺跡から、150軒以上の住居址や大量の土器と共に出土しました。
住居址の集落の広場にある土坑と呼ばれる楕円形の小さな穴に、ほぼ完全な形で横たわっていました。
発見から9年後の1995年に、土偶としては初めて国宝に指定されました。

約5.000年前の縄文時代中期に作られ、その姿から妊娠した女性を表していて、祭祀の際などで安産祈願子孫繁栄などを願う祭りの道具であったと考えられています。
祭りで使われた後も、大切に土に埋められていたようです。

女性らしい曲線、なめらかな地肌と完璧な美しさが表現されていて、5,000年という時を経ていることを忘れてしまうほどです。

高さ27㎝、重さ2.1㎏、
ハート形の顔に吊り上がった切れ長の目、
小さなおちょぼ口は、
縄文時代中期の八ヶ岳周辺の土偶の特徴です。
大きな平らな頭には渦巻文様があり、
髪型or帽子を被っているなどと言われています。
ヨコから見る立ち姿、曲線の美しさは格物です。
頭以外には文様は一切なく、
とても丁寧に磨きあげられています。
この完璧な桃尻!
縄文人のモデルがいたとしたら、
是非お会いしたかったですね。

この〝桃尻〝にすっかり魅せられてしまった私が、約半年前に書いた記事がコチラ▽です。


謎の仮面が怪しくも神秘的な土偶
「仮面の女神」

2つ目の国宝 仮面の女神は、100件以上の住居址が発掘された中ッ原遺跡から2,000年に出土しました。
住居址の集落の広場にあると考えられる穴から、右足が壊れた状態で発見されています。死者の副葬品であったと言われています。

縄文のビーナスよりもおよそ1.000年後の、今から約4.000年前の縄文時代後期のものと思われ、中が空洞になっている中空で作られています。

逆三角形の顔に見えますが、実は顔に仮面を付けた姿なのです。
仮面を付けて、神にかわって祭祀をする女性の姿を表現していると考えられています。

高さ34㎝、重さ2.7㎏、
堂々とした立ち姿と仮面の表情は、
人間を超えた存在に見えてきます。
お腹の中央にある円の文様が特徴的です。
同様のものが、両肩、脇、背面と
線文様で繋がっている様子は、
どこか宇宙を感じさせます。
ヨコから見ると、仮面の下に
本当の顔が隠れているのが分かります。
とても細かく研磨された体は、
全体が鈍く黒光りしています。
仮面を付けるための器具のようなものが、
首の下にしっかり付けられています。
後ろから見ても、
神と交信するシャーマンである存在を
示しているようです。

2体の国宝の土偶は、とても美しく、どこか隠された秘密があるような怪しさがあり、そしてだれもが敬意を表してしまいそうな威厳がある土偶でしたね。

ちょっぴり緊張感が漂った後は、気分も新たに〝かわいい〝土偶を見てみましょう。

個人の持ち物であったような土偶
「おやゆび姫」

縄文のビーナスと同じ棚畑遺跡から出土した縄文時代中期の小さな小さな土偶です。
縄文時代中期は、土偶の出土数が最も多く、盛んに土偶が作られていたと言われています。このように同じ遺跡から、縄文のビーナスのような神々しい土偶から、手作り感残る小さな土偶が出土したことは、多くの作り手がいて、土偶の在り方も様々であったことを伺わせます。

高さ4.6㎝、ちょっと歪んでいるのもまたカワイイ。
手足の表現はなく、どうにか自立しています。
に見えるのは、
ひょっとすると、へそである可能性も!

今回いただいた3つの御朱印

ゆっくりと3体の土偶を愛で御朱印もいただき、再び幸せが積み重なっていきます。
この後、同じ八ヶ岳山麓にある八ヶ岳美術館へ向かいました。
次回、その模様をお届けします。

最後まで読んでいただき有難うございました☆









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