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気になる土偶#114:小麦色に焼き上がりました/浅間縄文ミュージアム

まあるいツッルツッルのお肌…一目見た時から、
脳内はあの和スイーツでいっぱいに!

約4500年前の縄文時代中期

愛称「カワラダくん」は、顔面把手付がんめんとってつき土器に付いていた「顔」です。

顔面把手付がんめんとってつき土器とは、縄文土器の上部に把手のように「顔の装飾」が付いた土器です。

吊りあがった目とぽか~んとあけた口、うっすらと残るカモメのような眉は、山梨~長野に伝わる土偶にそっくりです。
そして何とも言えないのが、この肌の質感に色、形!
まるでほかほかのお饅頭…それも味噌饅頭?かりんとう饅頭!?
シンプルな形だけに難しい。実は技術の高さがうかがえる「顔」のようです。

それもそのはず。「カワラダくん」が生まれた川原田遺跡は、かなりの創造力と確かな技術力を持った作り手がいたのです。

この土器は『焼町やけまち土器』と呼ばれるものです。
この地域周辺で見られる独自の文様を持つ土器で、そこには彼らの独特の世界観が表れているようです。

この土器が大量に見つかったのが、カワラダくんが出土した川原田遺跡です。この独特の造形を生み出した本場であると考えられるそうです。

ドーナツ状や眼鏡状の突起や渦を巻く曲線が特徴で、初期はそれらは小さく控えめに、そして最盛期を迎えると躍動的へと変化していきました。

あの有名な火焔型土器にも匹敵すると言われる、芸術的な土器を生み出した遺跡。そこで作られたのがこの顔面把手付がんめんとってつき土器。
「カワラダくん」が張り付いていた土器は不明ですが、いったいどんなものであったのでしょうか。

館内にはゆるキャラ風の「カワラダくん」も。この博物館のキャラクターとしても活躍中です。

*参考図書
進化する縄文土器 長野県立歴史館

*タイトルは「土偶」ですが、土器や土製品、石製品も紹介しています。

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最後までお読みくださり有難うございました☆彡

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