今日会いに行きたい!気になる土偶#105:毎日コツコツ、コツコツ/東北歴史博物館
目を凝らしてご覧ください!
とても器用で根気のある縄文人の作品です。
『角偶』
シカの角でできた人形です。
角を削って形を作り出しています。
高さは僅か3.8㎝。
小さな体の中心部にはT字のスリットが入れられ、立体感と人間らしさを出しているようです。
顔の表現は少しばかりの凹凸で表現されていますが、手足にはきちんと五本指が作られています。
まさに超絶技巧と言える小さな造形物。
土偶と同じように「祈りの道具」であると考えられるようです。
出土した沼津貝塚は、岩手県から流れる北上川の支流・真野川の丘陵地に位置します。
すでに大正時代から多数の遺物が発見され、なかでも動物の骨で作られた「骨角器」は約1.200点にも及ぶことで知られています。
「骨角器」は日本各地で出土します。
その材料はシカやイノシシ、鳥やクジラ、魚などの骨で、つり針やぬい針などの実用的な道具、装飾品やマツリの道具と様々なものが作られました。
そうした中で生まれた『角偶』は、石のナイフややすりを道具に、大変な労力と時間をかけて作られたと想像できるようです。
同じ遺跡から出土した『角製かんざし』には、顔の表現がされています。
今日も明日も、少しずつ根気よく…。
それだけに、小さな人形に込められた祈りは、とても大きいものであるのかもしれませんね。
*参考資料
土偶美術館 小川忠博/原田昌幸 平凡社
©2024 のんてり
<写真&文章は著作権によって守られています>
最後までお読みくださり有難うございました☆彡
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?