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唯一の国宝縄文土器『火焔型土器』を見に行く「十日町市博物館」新潟県十日町市
『火焔型土器』が見たい!と思い立ち、先週、久しぶりに新潟県十日町市を訪れました。
十日町市
東京からは上越新幹線と北越急行ほくほく線を乗り継いで、約2時間。
『火焔型土器』が作られた信濃川流域に位置する十日町市。国宝『火焔型土器』はここで誕生しました。
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十日町駅から歩いて10分で目的地「十日町市博物館」へ到着です。
真っ白の建物の上部には、縄文をイメージした模様。そして雪深いこの地方独特の雁木(雪避けの長い庇)が、雪の結晶の庇で表されています。
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縄文時代の遺物で国宝指定されているものは全部で6件ありますが、そのうちの5件は土偶。
残りの1件がこの十日町の縄文土器となります。
国宝 『火焔型土器』指定番号1
これが教科書などでも見られる日本一有名な『火焔型土器』です。
十日町市にある「笹山遺跡」から出土しました。
国宝指定されているのは、この遺跡から出土した深鉢の縄文土器の57点で、そのうち『火焔型』が17点をしめています。
それらには指定番号がつけられており、国宝『火焔型土器』は1から17までがあります。
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『火焔型土器』が作られたのは、縄文時代中期の新潟県全域。特に信濃川流域を中心とした一帯からは約400ヶ所以上の縄文遺跡が確認され、その規模と密集度から当時の繁栄の様子が伺えます。
その遺跡の一つが、この国宝土器が見つかった十日町市の「笹山遺跡」です。竪穴住居が100棟以上の大きな集落で、大量の石器や土器、土製品等が出土しました。
完成度の高い『火焔型土器』の数々からも、ここが周辺地域の中核的なムラであったことが伝わってくるようです。
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一体全体どうなっているの?
燃えたぎる炎を表している、と言われる造形は、見るからに複雑怪奇!思いのままに創造されたように見えますが、実は細かいルールのもとに作られています。
土器の口縁部には「鶏頭冠突起」と呼ばれる大きな突起が4つ、そしてフリルの様な「鋸歯状突起、頸部には「トンボ眼鏡」や「袋状」の突起が付くなど、決まり事があります。
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これらには1つ1つ意味があると考えられています。
例えば4つの「鶏頭冠突起」は、燃えあがる炎、または4本足の動物や水面を飛び跳ねる魚などを表現していると言われています。
文字の無かった縄文時代は、このような文様を土器に施すことで、伝えたい物語などを表したと考えられています。
変化するかたち
『火焔型土器』が作られたのは約500年間。
基本は変わりなくとも、徐々にその形は変化していきました。
初期は寸胴な形で「鶏頭冠突起」は背が低く、やや横長、安定感のある縄文土器という印象です。
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やがて、胴部が強くくびれ、全体が引き締まり、「鶏頭冠突起」は高く大きくなります。まさに炎が燃えあがっているイメージですね。
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『火焔型土器』だけでない
信濃川流域の遺跡からは『火焔型土器』だけでなく『王冠型土器』やその他の土器も出土しています。
『王冠型土器』は、「鶏頭冠突起」の代わりに短冊状の王冠の様な突起がつき、「鋸歯状突起」はなく、全体に緩やかな文様で構成されています。
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『王冠型土器』も時代と共に、背が高くなり王冠が大きくなっていきました。
遺跡からは他にも様々な土器が出土しています。
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その特徴を見ると、東北系、北陸系、中部高地系とバラエティーに富んでいることから、これらの地域と交流があったことが分かります。
縄文土器ソックス
フェリシモさんのnote記事を見てから気になっていた「縄文土器ソックス」。
どれも素敵…迷いに迷い「深鉢型土器 指定番号39」を購入しました。
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アートの祭典
里山の豊かな暮らしが今も残っているこの地域。私が楽しみしている3年に1度の「大地の芸術祭 」が、今年7月から11月まで開催されます。
国内外からアーティストが集結し、街や山、廃校になった小学校、田んぼ、渓谷トンネル等々で、300点以上の作品が繰り広げられます。
今はお祭り前の静けさ、とでも言いましょうか。現代美術館ではアート作品を思う存分楽しむことができました。
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『火焔型土器』と現代アート。そこには「伝えたいこと」「感じて欲しいこと」…人の想いがこめられています。
「十日町市」は考古も現代も楽しめる、そして何と言ってもお米が美味しい!
ふと、行きたい!と思える街の1つです。
*参考資料
国宝笹山遺跡出土品のすべて 十日町市博物館
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最後までお読みくださり有難うございました☆彡